国連グローバル・コンパクト(UNGC)は10月19日、企業の腐敗防止を強化するため、各国政府への行動要請を開始。企業に署名を求めている。署名はUNGCの非署名機関でも可能。
今回の行動要請は、国連腐敗防止条約(UNCAC)の20周年を記念してニューヨークで開催された2023年国連グローバル・コンパクト・リーダー・サミットのセッション「Uniting Leaders for Business Integrity」で策定された。12月11日から12月15日まで米アトランタで開催される国連腐敗防止条約第10回締約国会議(CoSP10)の場で示される予定。
同行動要請は、目的として4つを置いている。
- サステナビリティ、変革的ガバナンス、ビジネスインテグリティ、腐敗との闘いに対する倫理的リーダーシップとコミットメントを示す
- ビジネスインテグリティを重視するサステナビリティ志向の投資家、従業員、パートナー、消費者を惹きつける競争上の優位性を獲得する
- 長期投資の確実性を高め、公正な競争、さらに製品・サービスの質向上につながる競争条件の公平化に貢献する
- 腐敗防止に関する決議、政策、法的枠組の採択と効果的な実施に向け、民間セクターの声を高める
同行動要請の内容は、
- 世界のビジネス・コミュニティが直面する多様な状況や課題を考慮し、国連腐敗防止条約の理念を効果的に実施し、公平な競争環境を整える。その上で、サプライチェーンに沿った企業のビジネスインテグリティにインセンティブを与え、不正行為の摘発と制裁によって不処罰に取り組むための政策、法的枠組、メカニズムを強化する。
- 政府の意思決定プロセス、特に投資や公共調達において、国連持続可能な開発目標(SDGs)に焦点を当てたビジネスを推進するため、企業のサステナビリティに関する基準の利用を増やす。官民交流において、利益相反の管理や不当な影響の防止を含め、透明性の向上に努める。
- 官民パートナーシップ、対話、全てのステークホルダーの関与により、ガバナンスと腐敗防止を強化し、人々と地球のより広範な利益のために包括的かつイノベーティブな解決策を生み出すための集団行動アプローチを促進する
- ICTとAIを活用し、腐敗リスクを管理し、監視と透明性を強化しながら、エビデンスに基づく意思決定を行う。アカウンタビリティを高めるため、官民によるガバナンスと腐敗防止の取り組みをモニタリング、評価、報告するためのICTの活用を奨励する
- 将来のビジネスリーダーのマインドを育み、明日の職場における公正と誠実の基準へのコミットメントを確保するスキルを習得させることにより、教育における倫理的リーダーシップの原則を推進する
【参照ページ】UN Global Compact Launches Call-to-Action for Companies and Governments to Work Together on Strengthening Governance and Anti-Corruption Efforts
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