欧州委員会は10月20日、戦略的エネルギー技術(SET)計画の改定を採択した。7年ぶりの改定となった。欧州グリーンディール戦略、REPowerEU計画、グリーンディール産業計画(特にネットゼロ産業法)との整合性をとった。
SETは2007年に初めて策定。それ以降、現在、全EU加盟国、アイスランド、ノルウェー、トルコがSET参加国となり、各国のエネルギー研究とイノベーションの政策における柱となっている。前回の2015年の改訂では、6つの優先事項を定めており、今回も据え置いた上で、内容を拡充した。
- 再生可能エネルギーで世界一になる
- スマートで消費者中心のエネルギーシステムを構築する
- 省エネシステムの開発と強化を行う
- 持続可能な輸送でのエネルギー・オプションを多様化し、強化する
- 炭素回収・利用・貯留(CCUS)での野心を促進する
- 原子力エネルギーの安全性を維持、強化する
同計画に基づき、欧州委員会は今後、設計でのサステナビリティ、スキル開発、社会需要に応じた研究・イノベーション、デジタル化、市場へのアクセス等、分野横断的な課題に関する新たな優先事項を定める。これにより、クリーンで効率的なエネルギー技術の開発と展開に対する包括的なアプローチを促進する。また欧州委員会は、同計画がEUでの再生可能エネルギー産業の発展に大きく寄与したと認識し、対象技術範囲を拡大していく考え。これにより他の産業育成にもつなげる。
さらに、「グリーン水素に関する欧州研究領域(ERA)パイロット」を実施するため、水素に関する専門作業部会を設置する。欧州技術・イノベーションプラットフォームと、バッテリー・アライアンス、クリーン水素アライアンス、太陽光発電産業アライアンス等の各欧州産業アライアンスとの連携も強化する。
各々進捗状況はモニタリングし、SET計画情報システム(SETIS)を通じて公表する。
【参照ページ】Updated Strategic Energy Technology Plan for Europe's clean, secure and competitive energy future
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