国際的な携帯電話通信業界団体GSMアソシエーション(GSMA)は10月11日、世界のモバイルネットワークのコネクティビティに関する年次報告書の2023年版を発表した。世界人口の54%に当たる43億人がスマートフォンを利用してインターネットに接続しているとした。
今回の発表では、携帯電話でのインターネット接続をデバイス別に分析。世界の人口の54%に当たる46億人が携帯電話のインターネットを利用しており、約40億人がスマートフォンを利用、約6億人が携帯電話を利用してアクセスしていると報告した。
スマートフォン利用者のうち69%が、4Gネットワークでアクセス。高所得国を中心に普及が進む5Gネットワークによるアクセスは17%だった。一方で、低・中所得国(LMICs)では3Gネットワークでのアクセスが中心。サブサハラ・アフリカではスマートフォンの69%、中東と北アフリカでは33%が3Gにしか対応していない。LMICSにおいては、2G及び3Gが数百万の利用者にとって重要な通信源となっている。
携帯電話のインターネット接続ができない人口は34億人と依然として高い状況。この人口のうちインターネット接続ができない地域に住む人は5%しかおらず、利用できる環境が整っているにも関わらず利用できないというギャップがある。
(出所)GSMA
インターネットが利用できない理由の約3分の2は携帯電話を持っていないことが要因。端末価格やデジタルスキル、リテラシー、安全性、現地語でのコンテンツの利便性の低さ等が課題となり、利用できていない。残りの約3分の1は、スマートフォンや携帯電話を所持しているものの、音声通話やSMS等の基本的なサービスしか利用できていなかった。
地域ごとの利用率の格差も大きい。インターネット接続できていない人口の約95%はLMICsや後発開発途上国(LDCs)に住んでおり、サブサハラ・アフリカはネットワークカバー率と利用率の格差が最も大きい地域。また、農村部の成人が携帯電話のインターネットを利用する割合は都市部と比較して29%低く、女性の利用率は男性より19%低い。居住地、男女での格差も大きいとした。
同報告書では、利用を開始した人数は2020年と2021年の3億人と比較して、2022年は2億人と普及が減速していると報告。すべての人が携帯電話でのインターネット接続ができるようにさらなる対策が必要だと強調した。
【参照ページ】SMARTPHONE OWNERS ARE NOW THE GLOBAL MAJORITY, NEW GSMA REPORT REVEALS
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