米ジョー・バイデン大統領は10月20日、連邦議会に対し、国家安全保障上の新たな予算を要請した。ウクライナ支援に加え、イスラエル支援の他、中国への対抗を強化する姿勢も示した。米国の防衛産業に500億米ドル(約7.5兆円)以上を投下する考えをみせた。
今回の発表では、イスラエルとウクライナでの安全保障上の問題に伴い、インド太平洋地域における安全保障の必要性が高まっていると指摘。米軍の戦闘力をさらに強化する必要があるとした。さらに、中国との戦略的競争において、同盟国やパートナー国への支援を強化するため、国際開発金融機関から発展途上国に2,000億米ドルを新たに動員し、中国の「強圧的な」融資に対抗しなければならないとの考えも示した。
イスラエルへの軍事支援では、テロ対策のため、国防総省(DOD)がイスラエル国軍を強化するとともに、イスラエル政府によるミサイル防衛システム「アイアンドーム」及び「ダビデ・スリング」の開発と調達を支援すること等を挙げた。同時にイスラエルとガザでの人道支援予算も要請した。
インド太平洋地域では、「統合的抑止力」の強化を掲げ、特にロシアの軍事装備から切り替えるパートナーを支援する必要性を挙げた。また、太平洋地域に展開する攻撃型潜水艦の建造と稼働を強化する方針も掲げた。
発展途上国への開発予算では、まず世界銀行への資金提供を通じ、ロシアの戦争の波及によって大きな打撃を受けた国々への開発資金を大幅に拡大。また、国際通貨基金(IMF)の2つの信託基金への融資を行い、追加予算なしで最大210億米ドルの透明性のある新規融資を実現する。さらに、IMFの新規借入メカニズムへの参加を拡大する権限を与え、IMFの対応力を向上する。
その他、米国内では、南西部国境の警備とフェンタニルの流入阻止に必要な人員や設備を確保する予算を求めた。
【参照ページ】FACT SHEET: White House Calls on Congress to Advance Critical National Security Priorities
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