英公的年金基金LGPS Centaralは10月16日、ファイナンスド・エミッション(投融資ポートフォリオ)での具体的なネットゼロ戦略を発表した。IIGCCが策定したネットゼロ投資フレームワークに基づき策定した。
【参考】【国際】IIGCC、ネットゼロ投資フレームワーク策定。すでに920兆円の投資家がコミット。世界展開へ(2021年3月12日)
LGPS Centaralは、英中部の8つの地方自治体の公務員年金基金。運用資産は約550億ポンド(約10兆円)。同機関は2022年に、2050年までに投融資先のスコープ1とスコープ2のカーボンニュートラルと、2030年までの50%減を宣言。今回具体的な目標や戦略を設定した。
今回の目標は、上場株式、社債、国債、不動産のアセットクラスで目標を設定した。上場株式では、2030年までに50%減、2035年までに60%減、2040年までに80%減、2045年までに90%減、2050年までにカーボンニュートラルのマイルストーンを設定。また、投融資先のスコープ3についても、排出量上位20社に関し、2024年からモニタリングを開始する。
社債、国債、不動産では、2050年までに投融資先のスコープ1、スコープ2、スコープ3カテゴリー13でのカーボンニュートラルを実現。実際の排出量算定については、国債は2024年から推定値で、他のアセットクラスでは2024年に推定値、2025年からは推定値と実際の数値の双方の算定を行う。
また運用会社に対するエンゲージメントでは、2023年までに全ての委託先運用会社を対象にエンゲージメントを実施。発行体レベルのエンゲージメントでは、ネットゼロ・パスウェイにすでに整合している、もしくは整合しようとしている発行体からの排出量割合での目標と、それに加え直接もしくは間接的にエンゲージメントをしている発行体を含めた排出量割合での目標を設定した。エンゲージメントをしている企業の定義は、関連株主総会議案に対する議決権行使、運用会社を通じたエンゲージメント、同機関、委託先運用会社もしくはエンゲージメント・サービスプロバイダーが年2回以上発行帯経営陣に対して有意義なエンゲージメントをしたと認められるものとした。
【参照ページ】Net Zero Strategy Launch
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