重電設備世界大手仏シュナイダーエレクトリックのサステイナビリティ研究所(SRI)と米ボストン大学グローバル・サステイナビリティ研究所(IGS)は10月10日、不動産の新規建築や改修で太陽光発電を導入することで、欧州と米国で新規雇用200万人以上の創出が可能との研究結果を発表した。
SRIは9月、デジタル化と電力マネジメント・ソリューション導入を通じ、オフィスビルの二酸化炭素排出量を最大70%削減することができるとの調査を発表済み。今回の研究はそれを発展させ、低炭素型の建築物における雇用創出を詳細レベルで推定した初めてのもの。論文「Building a Green Future: Examining the Job Creation Potential of Electricity, Heating, and Storage in Low-Carbon Buildings」として発表し、調査結果には誰でもアクセスできる。
【参考】【アメリカ】シュナイダーエレ、オフィスビルCO2排出量最大70%削減可能。調査結果発表(2023年10月1日)
同研究では、ミクロの視点から北米、欧州、アジアの各地域での住宅、病院、ホテル、オフィス、小売、教育機関等、低炭素型の不動産について、雇用の成果を推計。特に、現在容易に入手可能で、世界規模での二酸化炭素排出量削減に不可欠なビル部門の電化とデジタル化に資する技術として屋上太陽光発電パネル、ヒートポンプ、バッテリーの導入潜在性に焦点を当てた。
今回の研究結果では、雇用創出の可能性は、地域と不動産の種別によって異なることを明らかにした。住宅は1棟あたり約0.05人、商業ビルは1棟あたり0.3人から4.7人、双方合わせ、雇用創出の可能性は数百万人を超えるという。
欧州では、主要国で潜在的な労働力増加を示す具体的な数字が示されており、大幅な雇用創出を予測。フランスで29.5万人、ドイツで25.7万人、イタリアで25.2万人、英国で24.7万人、スペインで21.2万人、オランダで6.6万人となった。また米国では、各地域で大幅な雇用創出が見込まれており、西部で18.2万人、中西部で1.89万人、北東部で12.3万人、南部と南東部で31.9万人となった。
雇用創出ポテンシャルは、太陽光エネルギーのポテンシャルが高い地域での大型不動産へのヒートポンプやバッテリー導入が最大。ヒートポンプ、太陽光発電、バッテリーのバリューチェーンでは、建設と設置が最大。
【参照ページ】Schneider Electric and Boston University Joint-Study Reveals Over 2 million New Jobs Can Be Created During the Transition to Net-Zero Buildings
【論文】Building a Green Future: Examining the Job Creation Potential of Electricity, Heating, and Storage in Low-Carbon Buildings
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