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【日本】公取委、市町村回収ペットボトル再処理で容リ協に苦言。流通の多様化が望ましい

 公正取引委員会は10月16日、使用済みペットボトルのリサイクルに関する取引の実態の調査報告書を公表。日本容器包装リサイクル協会(容リ協)の現行制度について独占禁止法上の懸念があると伝えた。

 市町村が回収したペットボトルのリサイクルを巡っては、現在、容リ協を通じたルートが約3分の2、飲料メーカー等が独自に市町村と協定を結んでいるケースが約3分の1を占めている。

 容リ協は2021年10月、飲料メーカー等が加盟する全国清涼飲料連合会(全清飲)に対し、飲料メーカーがボトルtoボトル(クローズド・ループ・リサイクル)で市町村と個別に協定を締結し、容リ協を通さずに再商品化を行う取組について「容リ法の方針(精神)に沿っていない」等と通知。また市町村に対しても、容リ協を通さず独自処理を行うことについて容リ法制度上問題視されるかのような誤解、独自処理を採ることで指定法人ルートの利用に関して不都合が生じることになることへの懸念が生じかねない表現があったという。

 今回、公正取引委員会は、「指定法人である容リ協が、法令等の規定を市町村、飲料メーカー等に提示することや、自らの入札が活用されるように市町村に対して働きかけること自体は独占禁止法上又は競争政策上の問題はないが、当該行為に伴い、市町村や飲料メーカーに独自処理を行うことを躊躇させる効果やその関与を制限する効果を生じさせる場合には、独占禁止法上又は競争政策上の問題を生じさせる可能性がある。」と指摘。容リ協と飲料メーカーは、回収ペットボトルの処理に関し競争関係にあり、容リ協が飲料メーカーの行為を制限するよう働きかけることに懸念を示した。

 容リ協からの要請に対し、全清飲は、2021年3年12月と2022年1月に、指定法人分については、飲料メーカーから市町村に対し、独自処理を行うように働きかけないこと等を合意。全清飲の合意を受け、全清飲の構成事業者である各飲料メーカーは、市町村に対し、指定法人分についてボトルtoボトルの協定の締結その他の独自処理を行うことを促すような営業活動を、少なくとも自ら積極的に申し出る形では行わないようにしていた模様だが、各飲料メーカーの自主的な判断によって決定されるべきものを、全清飲が制限するよう働きかけることも、独占禁止法上の問題となるおそれがあるとした。

 今回の調査では、市町村からは、容リ協の指定法人ルートではリサイクルの用途指定ができないことへの不満の声もあがっていた。公正取引委員会は、リサイクルの用途指定競争がより一層機能することが考えられ、指定法人は、市町村等の需要を可能な限り踏まえつつ、再商品化事業者間の競争がより促進されるよう、入札制度に関する不断の検討を行うことが望ましいと伝えた。

 市町村に対しても、契約方式が一般競争入札等の場合には引渡価格が高くなる傾向が認められることから、随意契約ではなく一般競争入札等による等の不断の契約方針の検討を行うことが望ましいとした。

 さらに、リサイクルの義務が課されていない産業廃棄物である使用済みペットボトルについても、使用済みペットボトルの流通が多様化し、その需要が増加すること等により、市場の機能を通じたリサイクルの取組が促進されていくことが期待されるとした。

【参照ページ】(令和5年10月16日)使用済みペットボトルのリサイクルに係る取引に関する実態調査について

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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