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【ヨーロッパ】気候変動でホップ収量が最大35%減の見込み。科学論文

 チェコ科学アカデミー地球変動研究所のマーティン・モズニー氏等の研究チームは10月10日、気候変動が欧州でのホップの収量とアロマに及ぼす影響の分析結果を発表。2050年までにホップの収穫量、α酸含有量ともに減少すると予測し、早急な気候変動適応策が必要と警鐘を鳴らした。同研究は、学術誌「Nature Communications」に論文として掲載された。

 今回の研究では、全ホップ生産地の約90%を占めるドイツ、チェコ、スロベニアを対象に設定。気象学的測定とモデル予測を組み合わせ、気温が1.4℃上昇し、降水量が24mm減少するシナリオで、1970年から2050年までの欧州産ホップの収量、α酸含有量、球果の発達の気候感度を分析した。

 分析結果では、高品質のアロマホップの栽培は、適切な環境条件を備えた比較的狭い地域に限定されるため、気候変動に伴う熱波や旱魃の増加で、収量への深刻なリスクがあると指摘。ホップの成熟開始が1994年比で約20日早くなり、生産量は年間1haあたり0.2tと大幅減少したことを明らかにした。また2050年までにホップの収穫量は4%から18%減少、α酸含有量は20%から31%減少するとも予測した。

 また、欧州と英国全域でも、全てのシナリオでホップ収量は、2021年から2050年にかけて12%から35%減少すると予測。特にスロベニア、ポルトガル、スペインで最も顕著に減少すると分析した。α酸含有量は、全ての地域で大幅に減少すると予測した。国別では、ドイツ、チェコ、ポーランドがホップ収量とα酸含有量で中程度の減少、ポルトガル、スロベニア、クロアチアがホップ収量の大幅減少となることにも言及した。

 栽培環境での大気中の二酸化炭素濃度の上昇は、旱魃の影響を部分的に補い、水利用効率を向上させ、収量増と葉面積指数を高める可能性があるともされる。しかし、同効果がホップにも適用できるかは、十分な証拠と知識が得られていないと指摘。一方、今回のシミュレーション結果にも不確実性がある点にも触れ、ホップ農園から直接、詳細な測定と観測結果を得ることでの既存モデルの改善が可能とも語った。

【参照ページ】Climate-induced decline in the quality and quantity of European hops calls for immediate adaptation measures

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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