英政府の移行計画タスクフォース(TPT)は10月9日、企業がカーボンニュートラルを実現するまでの達成計画(移行計画;トランジションプラン)の法定開示フレームワークを発行した。3月に開示ガイドラインと実施ガイダンスの原案を公表していた。
【参考】【イギリス】TPT、移行計画開示を2024年に義務化へ。上場企業と非上場大手企業(2023年7月31日)
完成したTPT開示フレームワークは、5つの柱、合計19項目で構成されている。また別途、実行ガイドも発行された。さらに今回、セクターガイダンスサマリーも発行し、パブリックコメントの募集も開始する。40セクターのセクターガイダンスの完成作業は11月に開始し、2024年2月に最終発行する計画。
(出所)TPT
英金融当局の金融行動監督機構(FCA)は8月、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)のIFRS S1及びS2に基づく開示義務化を、上場企業を対象に2025年度の報告を2026年に行う際から必須にする考えを発表している。その中で、移行計画の開示も上場企業と非上場企業の大手企業に対し、義務化する考えを示していた。
TPTは、今回策定したTPT開示フレームワークを、ISSBのIFRS S1及びS2、さらにGFANZの「ネットゼロ・トランジション計画(NZTP)」を、移行計画に関する部分について補完するものと位置づけている。今回の発表も、ISSBとGFANZはTPT開示フレームワークの発行を歓迎し、双方のガイドラインに関する実践ガイドとして実効性のあるものになっているとコメントした。
【参考】【日本】金融庁、GFANZ寄りのトランジションファイナンス調査報告書発行。経産省とは距離か(2023年4月15日)
TPT開示フレームワークは、あくまで英国市場の対象としたものだが、ISSBとGFANZを早期に巻き込むことに成功したことで、実質的なグローバル規範になっている可能性が高い。そのため、英国以外の企業や金融機関に対しても影響を与えていきそうだ。
【参照ページ】The TPT Disclosure Framework
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