アジアインフラ投資銀行(AIIB)は9月25日、2024年から2030年までの指針として「気候行動計画(CAP)」を発表した。
AIIBは現在、2025年までに年間融資承認額の50%以上を気候変動分野に充てることにコミットしており、2022年には56%を達成している。2023年第2四半期までに、AIIBは累計117億5,000万米ドルの気候変動ファイナンスを行い、気候変動要素を含む107のプロジェクトにファイナンスを実施。2023年には、AIIBはアジア初の気候変動適応債券も発行。さらに、2023年7月1日以降は、すべての新規ファイナンスをパリ協定の原則に沿ったものとすることも決めている。
今回掲げたCAPでは4つのアプローチを掲げた。
- 公正なアプローチ:AIIBは、アジア全域における気候変動の影響の多様性と、加盟国の所得水準、開発パスウェイ、気候変動に対処する能力のばらつきを認識し、個々の顧客のニーズと状況に応じた気候変動ソリューションを提供する。
- 包括的アプローチ:AIIBは、気候変動緩和、レジリエンスの構築、気候変動適応の強化、生物多様性と自然保護のための共益を同時に提供するソリューションに焦点を当てる。自然をインフラとして捉え、自然を軸としたソリューション(NbS)をインフラ設計に組み込むことで、気候変動レジリエンスを高める。
- 資本の動員:AIIBの強固な財務基盤を活用し、資金調達パートナーシップを強化して、気候変動プロジェクトへの資金を動員する。
- 技術イノベーションの促進:緩和と適応の双方のためのイノベーションを促進する。
AIIBは、気候変動の緩和と適応のソリューションでは、アジア市場での動向が世界の趨勢を担うと認識。アジア市場を重視し、同分野のアクションで主導権を握る考えを示した。
【参照ページ】AIIB Unveils Climate Action Plan, Reinforces Commitment to Tackle Climate Change
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