食品世界大手スイスのネスレは9月28日、2030年までに栄養価の高い健康的な商品での売上を、200億スイスフランから250億スイスフラン(約3.2兆円から約4兆円)の規模まで伸ばす目標を設定したと発表した。同目標は2022年比で約50%成長に相当する。
同社は2021年、内部文書のリークにより、同社の内部調査の中で同社製品の60%以上が、世界的に有名なオーストラリアの評価指標Health Star Rating(HSR)で3.5未満であることが発覚。2022年には、HSRを用いた商品毎の栄養情報開示を決定し、同年売上の37%がHSR3.5以上の商品によるものだったと2023年に報告した。HSRは、国際的な栄養インデックス「ATNI(栄養アクセス・インデックス)」でも活用されているベンチマーク。
【参考】【国際】ネスレ、Health Star Ratingを用いた商品毎の栄養情報開示決定。まず14カ国(2022年11月28日)
【参考】【国際】ネスレ、食品栄養基準強化へ。栄養アクセス・インデックスATNIでの評価体系を意識(2021年6月3日)
今回の目標で対象とする商品には、HSRで3.5以上の商品に加え、離乳食、ビタミン・ミネラルサプリメント、医療用栄養食品等も含まれるが、すでに同社の食品・飲料売上の60%近くを占めているという。月齢12ヶ月までの乳児用粉ミルクとペットケア商品は対象外とした。
また同社は、既存商品の改良とイノベーション促進に向けた大規模投資を継続する意向も表明。微量栄養素強化や、手ごろな価格の商品、植物由来原料を使用した商品やレシピの拡大等を進める。
さらに同社は、世界中の人々のバランスの取れた食生活の実現に向け、嗜好品、特に菓子とアイスクリームでの責任あるマーケティングを強化する姿勢も示した。同社はすでに、16歳未満への広告・マーケティングの自主禁止も決定済み。
【参考】【国際】ネスレ、16歳未満への広告・マーケティングを自主禁止。全世界で適用(2022年12月7日)
具体的には今回、子供向け菓子とアイスクリーム全商品で、ポーションあたり110kcal以下とし、同2つのカテゴリーの全マルチサーブ製品には、展開地域の規制が許す限り、包装前に明確なポーションガイダンスを表示する。同アクションは、今後 3年以内に全面展開予定。まずは来春に英国で開始する。
【参照ページ】Nestlé sets target to boost sales of its more nutritious foods and steps up support for balanced diets
【画像】Nestlé
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら