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【国際】アリアンツ等4者、クライメートテック投資の重要性強調。2040年まで年平均500兆円

 保険世界大手独アリアンツのデジタル投資部門アリアンツX、アリアンツ経済研究所、ミュンヘン工科大学の起業支援機関UnternehmerTUM、独ベンチャーキャピタルUVCパートナーズの4者は9月25日、クライメートテックの将来性に関する報告書を公表。世界のカーボンニュートラル移行におけるクライメートテックの重要性を強調するとともに、欧州への政策提言を行った。

 同報告書では、2030年にはクライメートテックの年間売上高が6,000億ユーロ(約94兆円)に達すると予測。同年までに二酸化炭素排出量を55%削減するという欧州の目標には、強力なクライメートテック・イノベーションが必要と分析した。

 一方、同セクターにおける欧州の地位は危機に瀕しており、更なる努力なしには米国や中国に遅れを取るとも指摘。国際エネルギー機関(IEA)は、2030年までに世界全体で年間4.5兆米ドル(約672兆円)、EUだけでも年間1.5兆ユーロ(約235兆円)のクリーンエネルギー投資が必要と推計しているが、現在の水準では年間7,000億ユーロ(約110兆円)不足していると分析した。

 また同報告書では、カーボンニュートラル達成のためにイノベーションが不可欠とも明言。成熟した技術だけでは、必要な二酸化炭素排出削減量の25%しか達成できず、残り75%は新興技術が重要とした。このためには、2020年から2040年の間に、イノベーションに年間平均3.33兆米ドル(約500兆円)の投資が必要という。

 市場としては、クライメートテック分野のベンチャーキャピタル(VC)やプライベート・エクイティ(PE)への投資が増加していると分析。クライメートテックおよびクリーンテック企業への世界のVCとPE投資は、2019年の433億米ドル(約6.5兆円)から2022年には973億米ドル(約14.5兆円)に増加したという。2022年時点では、欧州企業はこれら資金のうち約30%を獲得しており、成長可能性を有望視。一方、資金調達のミスマッチも発生しており、排出量の多いセクターでは他セクターより資金調達額が少ないとした。

 さらに同報告書では、欧州のクライメートテック産業を強化するため、政策提言も実施。資金調達のためのEU共通プラットフォームの構築、民間セクターと研究機関の連携強化、機関投資家の誘致、官僚的障壁の低減、クライメートテック・ソリューションの調達義務化等を求めた。

 アリアンツとしては、クライメートテックとクリーンテックに対し、2030年までに200億ユーロ(約3兆円)の追加投資を行う予定。同社はすでに、風力発電所や太陽光発電所、グリーン水素、グリーンアンモニア等の投資も行っている。

【参照ページ】ClimateTech is the missing piece in the net zero puzzle

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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