気候変動対応を企業に求める欧州機関投資家団体IIGCCと米ESG投資推進NGOのCeresが運営する自然資本分野の集団的エンゲージメントイニシアチブ「Nature Action 100(NA100)」は9月26日、エンゲージメント対象企業100社を発表した。
【参考】【国際】機関投資家、自然資本の集団的エンゲージメントNA100正式発足。対象企業は2023年後半発表(2023年7月10日)
日本企業の対象は、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、味の素、王子ホールディングスの5社。
海外企業では、アマゾン、アリババ・グループ・ホールディングス、ウォルマート、コストコ、カルフール、ターゲット、ウールワース、アホールド・デレーズ、ホームデポ、ロウズ、BHP、グレンコア、アングロ・アメリカン、リオ・ティント、ヴァーレ、フリーポート・マクモラン、紫金鉱業集団(Zijin Mining)、モンディ、BASF、バイエル、3M、ソルベイ、DSMフィルメニッヒ、コルテバ、P&G、ユニリーバ、ロレアル、ジョンソン&ジョンソン、コルゲート・パーモリーブ、マクドナルド、ヤム・ブランズ、レストラン・ブランズ・インターナショナル、ネスレ、ペプシコ、モンデリーズ・インターナショナル、ゼネラル・ミルズ、ウィルマー・インターナショナル、ケロッグ、ダノン、クラフト・ハインツ、タイソン・フーズ、クローガー、蒙牛乳業、牧原食品(Muyuan Foods)、万洲国際(WHグループ)、ホーメル・フーズ、キンバリー・クラーク、UPMキュンメネ、エシティ、ストラエンソ、インターナショナル・ペーパー、ファイザー、ロシュ・ホールディングス、メルク、ノバルティス、ノボノルディスク、ゾエティス等。100社の時価総額合計は9兆米ドル(約1,300兆円)。
NA100に参画した機関投資家は、190機関で、運用資産総額は23.6兆米ドル(約3,500兆円)。日本の機関投資家は、アセットマネジメントOne、三井住友トラスト・アセットマネジメント、日興アセットマネジメント、りそなアセットマネジメントの4社。
海外の機関投資家では、PensionDanmark、AP1、AP2、AP3、AP7、APG、Scor、国泰人寿、USS、LGPS Central、Local Authority Pension Fund Forum、PKA、PGGM、英国国教会年金理事会、国連合同職員年金基金(UNJSPF)、フィデリティ・インターナショナル、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、シュローダー、ピクテ、BNPパリバ・アセット・マネジメント、Robeco、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、UBSアセット・マネジメント、Aviva Investors、M&Gインベストメンツ、スコティッシュ・ウィドウ、Candriam、コムジェスト、EOS、Impax Asset Management等。
対象企業への要求事項は6つ。
- 野心:2030年までに自然喪失の主な要因への寄与を最小限に抑え、事業レベルおよびバリューチェーン全体を通じ、生態系を保全・再生することを公にコミットする。
- 評価:事業レベルおよびバリューチェーン全体を通じ、自然に関連する依存、影響、リスク、機会を評価し、公表する。
- 目標:自然関連の依存関係、影響、リスク、機会に関するリスク評価に基づき、期限を定め、状況に応じた、科学に基づく目標を設定する。目標に対する進捗状況を年次で開示する。
- 実践:目標達成のための全社的な計画を策定する。計画の設計と実施では、権利に基づくアプローチを優先し、先住民族や地域コミュニティが影響を受ける場合は、そのコミュニティと協力して策定する。計画に対する進捗状況を年次で開示する。
- ガバナンス:取締役会の監督を確立し、自然関連の依存、影響、リスク、影響、機会の評価とマネジメントにおける経営陣の役割を開示する。
- 参画:バリューチェーン全体の関係者、業界団体、政策立案者等のステークホルダーを含む外部関係者と連携し、計画の実施と目標達成を可能にする環境を整える。計画を実施し、目標を達成するための環境を整える。
今回100社に送付した書簡には、上記6事項への期待と、受領確認を返信することを求めている。また第三者機関のデータを活用し、100社のモニタリングも実施する意向を表明した。2024年には100社企業のアクションレベルを評価するベンチマークも公表する。
【参照ページ】Nature Action 100 announces companies, start of investor engagement process to catalyze greater action on nature loss
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