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【アメリカ】カリフォルニア州、スコープ3やTCFD開示の法定義務化州法が可決。州知事署名で成立

 カリフォルニア州議会は、企業に気候変動に関する情報開示を法定義務化する州法案SB253と州法案SB261を可決した。9月に入り法案に修正が入り、州下院が9月11日、州上院が9月12日に可決した。州知事が署名すれば、同州法案は成立する。成立すると同様の法案では全米初の州となる。

【参考】【アメリカ】カリフォルニア州、非上場大企業にもスコープ3やTCFD開示を法定義務化へ。企業も支持(2023年8月24日)

 州法案SB253「気候企業データ説明責任法案」は、同州内で事業を行う米国拠点の年間売上10億米ドル以上の企業を対象に、スコープ3を含めた二酸化炭素排出量の算定と公表を義務化するもの。成立すると、義務化の適用対象は約5,400社に上る。

 詳細規定は同州が2025年までに制定。算定・公表義務の開始時期は、スコープ1とスコープ2は2025年度データを2026年に開示するタイミングから、スコープ3は2026年度データを2027年に開示するタイミングから義務となる。算定後は、第三者保証の取得も義務化。また同州の委託先が運営するデジタル登録プラットフォームへの入力も必須となる。

 公表されたデータは、同州大気資源局(CARB)が報告内容を監督し、ルール違反が確認されれば、同州司法長官から民事提訴される可能性もある。法案の最終修正では、スコープ3排出量の虚偽報告に関する罰則が弱められ、2027年から2030年までの期間は、未提出に関する罰則のみが科せられる。

 州法案SB261「気候関連財務リスク法案」は、同州内で事業を行う米国拠点の年間売上5億米ドル以上の企業を対象に、気候関連財務リスク報告書の策定と提出を毎年行うことを義務化するもの。成立すると、義務化の適用対象は約10,000社。

 報告書には、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)ガイドラインに基づく気候関連財務リスクと、特定されたリスクを軽減するための対策を盛り込まなければならない。

 初回の提出期限は2026年1月1日。提出サイクルは当初は毎年だったが、最終修正で2年に変更となった。違反の罰金は当初は最大50万米ドルだったが、最終修正で5万米ドルに変更された。提出された報告書は、同州の気候関連リスク開示アドバイザリーグループが審査し、内容の品質を精査するとともに、開示に関するガイダンスやベストプラクティスを発表していく。

【2023年10月26日追記】
 同州知事は10月7日、双方の州法案に署名。成立した。

【参照ページ】SB-253 Climate Corporate Data Accountability Act. (2023-2024)
【参照ページ】SB-261 Greenhouse gases: climate-related financial risk.(2023-2024)

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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