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【オーストラリア】金融当局、バンガードをESGウォッシュで民事提訴。運用手法の虚偽記載

 オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は7月25日、運用世界大手米バンガードの豪子会社バンガード・インベストメンツ・オーストラリアに対し、ESGウォッシュの疑いで豪連邦裁判所に民事提訴した。

 ASICは今回、バンガードが、「Vanguard Ethically Conscious Global Aggregate Bond Index Fund(Hedged)(Fund)」に含まれるすべての証券が特定のESG基準に照らしてスクリーニングされていると表明していることに対し、虚偽で誤解を招くような発言を行い、一般投資家を欺く行為に及んだと主張している。同ファンドの運用資産総額は、2021年2月26時点で10億豪ドル程度。

 具体的には、同ファンドでは、ブルームバーグ・バークレイズ・MSCIグローバル・アグリゲートSRI除外フロート調整インデックスをベンチマークにしているが、同社はどうインデックスが、化石燃料等でのスクリーニングを実施していると説明。しかし、実際には、債券銘柄の発行体のかなりの割合についてスクリーニングが実施されていなかったという。

 ASICの発表によると、2021年2月時点で、同インデックスの中で42発行体で180以上の債券銘柄、ファンドでは14発行体で27以上の債券銘柄がスクリーニングがされていなかった。これによりASICは、「石油・ガス採掘に関連する事業を含む化石燃料と関係のある投資対象に投資家の資金をさらした」と表明した。具体的には、シェブロン・フィリップス・ケミカル、アブダビ原油パイプライン(ADCOP)、コロニアル・パイプライン、ENAP、ジョン・セヴィア・コンバインド・サイクル・ジェネレーションを例示した。

 今回の民事訴訟では、ASIC側は、バンガードに対し、違法事案の公表と、罰金の支払いを求めている。

 さらにASICは8月11日、年金基金アクティブ・スーパーに対しても、ESGウォッシュの疑いで豪連邦裁判所に民事提訴。アクティブ・スーパーは、たばこ製造、タールサンド、ギャンブル等や、ロシア企業をスクリーニングしていると説明していたが、当該事項に関連する28銘柄が投資ポートフォリオに含まれていることが発覚。加入者を欺いたとしている。

【参照ページ】ASIC commences greenwashing case against Vanguard Investments Australia
【参照ページ】ASIC commences greenwashing case against Active Super

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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