国際的なカーボンオフセット基準管理団体米Verraは8月17日、ブルーカーボンに関するカーボンクレジット創出のメソドロジー改訂の進捗状況を発表した。
ブルーカーボンでは、Verraは2015年、潮汐湿地や海草藻場の再生のためのメソドロジー「VM0033 Methodology for Tidal Wetland and Seagrass Restoration」の初版を発行。2020年9月には「VM0007 REDD+ Methodology Framework(REDD+MF)v1.6」の発行の際に、潮汐湿地の保全のためのメソドロジーも追加された。さらに、2023年4月には、ブルーカーボンのメソドロジー拡大で「海洋炭素ワーキンググループ」を新設し、関連メソドロジーの改訂作業を開始していた。
【参考】【国際】Verra、ブルーカーボン手法拡大で「海洋炭素ワーキンググループ」新設。委員募集(2023年4月24日)
まず、今回の改訂作業では、潮汐湿地の保全に関するメソドロジーが「VM0007」から「VM0033」に移管され、「VM0033」で保全と再生を一体的に規定する体系にする。改訂版の「VM0033 Methodology for Tidal Wetland and Seagrass Restoration v2.0」は2024年初旬に草案を公表し、2024年下期に最終発行する予定。
また、「VM0033」は、2015年のv1.0では、米国のみを対象としたメソドロジーとして開発されたが、「VM0007」は世界全体での保全活動に使えるものとして開発。ついに今回のVM0033のv2.0の発行では、再生と保全の双方をカバーするだけでなく、対象地域も米国からグローバルへと拡大される。
今回進捗状況が発表された2つ目は、熱帯泥炭地のメソドロジー。現在、新しいメソドロジー開発を担当するコンサルタントの提案募集が行われおり、開発作業は2023年第4四半期に開始される予定。
Verraは目下、REDD(森林減少および森林劣化による排出の削減)に関しては、メソドロジー作業を刷新し、「統合REDDメソドロジー」の制定する作業を進めている。4月に案を公表済み。但し、統合REDDメソドロジーは、湿地は対象になっていない。そのため、湿地については、「VM0033」や新たに開発する熱帯泥炭地メソドロジーを活用することになる。各々のメソドロジーの完成前は、「VM0007」と「統合REDDメソドロジー」を併用し、排出削減量を算定する。
【参考】【国際】Verra、REDDメソドロジー刷新。パブコメ募集。計画外森林破壊を算定に全面組入れ(2023年4月25日)
【参照ページ】Update on Methodologies for REDD Projects that Include Wetlands
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