欧州委員会は8月17日、炭素国境調整メカニズム(CBAM)に関し、10月1日から2025年末までの過渡期に適用される実施規則を発表した。6月に実施案を公表し、パブリックコメントを募集していた。
【参考】【EU】欧州委、10月開始の炭素国境調整メカニズムの実施規則案公表。パブコメ募集(2023年6月17日)
【参考】【EU】EU-ETS改革と炭素国境調整メカニズム(CBAM)の関連法成立。CBAMは2026年から(2023年4月27日)
CBAMは「国境炭素税」とも呼ばれている。2025年末までの移行期間中は、国境炭素税そのものは発生せず、輸入事業者は対象輸入品に含まれる排出量の報告のみが義務付けられることが最終決定した。初回の報告期限は、2023年第4四半期の輸入品を対象に1月31日までに提出。対象品目は、CBAM法で決定したように、セメント、アルミニウム、肥料、電気、水素、鉄鋼、一部の前駆物質と下流製品。また、2026年から国境炭素税の徴収を開始する予定。
違反時の罰金額は、未報告の排出量1t当たり10ユーロから50ユーロ。罰金額は、欧州の消費者物価指数に応じて増加する。不完全または不正確な報告が連続して2回以上続いた場合、または報告を怠った期間が6カ月を超えた場合、より高い罰則が適用される。
報告形式は、初年度に関しては、原案通り、今回設けられた「EU方式」の他、「第三国国内制度報告方式」「参照値に基づく報告方式」も選択可能する猶予措置が設けられた。但し、2025年1月1日からはEU方式のみに一本化される。
算定が必要なのは、スコープ1とスコープ2に相当する製品カーボンフットプリント。今回、算定のためのガイダンスも提供され、各品目毎に考慮事項やバウンダリーが規定されている。
欧州委員会は同時に、報告を支援する専用のITツールや、詳細ガイダンス、研修資料等を用意していく。
【参照ページ】Commission adopts detailed reporting rules for the Carbon Border Adjustment Mechanism's transitional phase
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