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【国際】FAO、マングローブ土地利用で世界初報告書。消失理由の多くは農業や養殖

 国連食糧農業機関(FAO)は7月26日、コロンビアのカルタヘナで開催されたマングローブ投資促進イニシアチブ「マングローブ・ブレークスルー」の会合で、マングローブの土地利用に関して分析した世界初の報告書を発表した。

【参考】【国際】マングローブ・ブレークスルー、アクションプラン策定。COP28への機運情勢(2023年8月6日)

 今回の発表は、2000年から2020年までの世界のマングローブの土地利用の変化を分析したもの。2020年の世界のマングローブの総面積は1,480万ha。地域別では、南・東南アジアが648万ha、南米が214万ha、西・中央アジアが209万ha、北中米が185万ha、オセアニアが146万ha、東・南部アフリカが73万ha、西・中央アジアと東アジアがそれぞれ20万ha。

 2000年から2020年までの20年間で減少した面積は約68万ha、増加した面積は約39万haであり、総面積は約28万ha減少した。2000年から2010年までの10年間で年間約1.8万ha減少し、2010年から2020年までの10年間で年間約1万ha減少、直近10年間ではマングローブの減少率が低下していると報告した。地域別の直近10年間の傾向として、アジア、アフリカでは減少率は低下、北中米では総面積が増加、南米とオセアニアでは減少率が増加している。


(出所)FAO

 マングローブが減少した原因は、エビ等の水産養殖が27%、自然消失が26%、アブラヤシへの転換が8%、稲作が8%、その他の農業への転換が12%だった。減少した要因に占める水産養殖の割合は2000年から2010年までが31%、2010年から2020年までが21%と直近10年間で減少した。自然災害による減少は、20年間で全体の2%だが、減少面積は直近10年間で3倍に増加し、南米とオセアニアで顕著に増加。今後もこの傾向が続くと警鐘を鳴らした。 


(出所)FAO

 マングローブが増加した要因は、82%が自然拡大、18%が保全活動によるものだった。同報告書では、マングローブには世界で6.2Gtの炭素が貯蓄されていると推定されており、気候変動対策としてより重視されるべきだと指摘。国連総会が2019年3月に発表した2030年までの「生態系回復の10年」を活用し、マングローブが適切な場所に自然群生できるよう注力すべきと訴えた。

【参考】【国際】国連総会「生態系回復の10年」宣言。生態系破壊で世界的に作物生産量減退の危機(2019年3月7日)

【参照ページ】https://www.fao.org/newsroom/detail/global-effort-to-safeguard-mangroves-steps-up/en

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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