英ビジネス・貿易省は8月2日、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)に基づく英国適用のサステナビリティ開示基準「UK SDS」を策定すると発表した。S1とS2を原則そのまま受容する考え。
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英政府は、3月公表の同国「グリーンファイナンス戦略2023」で、ISSBのサステナビリティ開示基準「一般サステナビリティ開示事項(S1)」と「気候関連開示事項(S2)」の英国への適合性評価フレームワークの確立と、UK SDSの展開を宣言。具体的に「英国サステナビリティ開示技術諮問委員会(TAC)」と「英国サステナビリティ開示政策実施委員会(PIC)」の2つの委員会を設立していた。
【参考】【イギリス】政府、グリーンファイナンス戦略2023発表。自然資本追加。UKタクソノミー策定へ(2023年4月30日)
英国サステナビリティ開示技術諮問委員会(TAC)は、ISSBのサステナビリティ開示基準を技術的に評価し、英ビジネス・貿易相に対し独立した勧告を行う。TACの事務局は財務報告評議会(FRC)が務め、ビジネス・貿易省が運営をサポートする。議長を含むTACの委員は近日中に任命予定。
一方、ビジネス・貿易省に設置される英国サステナビリティ開示政策実施委員会(PIC)は、ISSBのサステナビリティ開示基準と、英国の既存の法規制との相互作用に関する分析を行い、英ビジネス・貿易相に承認決定に関する助言を行う。英ビジネス・貿易相が基準を承認した場合、PICは、英国政府と金融行動監督機構(FCA)によるUK SDSの実施に関する調整も担う。
PICの委員は、イングランド銀行、エネルギー安全保障・ネットゼロ省(DESNZ)、環境・食糧・農村地域省(DEFRA)、労働年金省(DWP)、金融行動監督機構(FCA)、英国財務報告評議会(FRC)、財務省、外務・英連邦・開発省(FCDO)、英国エンドースメント審議会(UKEB)等で構成される。PICは非公開。議事録は後日公開される。
英事業貿易省(DBT)は、2024年7月までに国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)のサステナビリティ開示基準を承認し、同基準に準拠した形でUK SDSを作成する計画。UK SDSは、同国固有の事項として絶対的に必要な場合を除き、ISSBの基準に整合させる。国際的な比較可能性を担保することで、投資家の意思決定に有用なものにする狙い。
UK SDSに基づく開示ルールの策定は、上場会社に対しては金融行動監督機構(FCA)が、それ以外の英国法人や有限責任事業組合については英政府が、それぞれ担当する。
【参照ページ】UK Sustainability Disclosure Standards
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