米環境保護庁(EPA)は7月24日、「除草剤戦略」案を発表。農業用除草剤から米連邦政府が指定する絶滅危惧種を保護するためのアクションをまとめた。60日間のパブリックコメント受付期間に入った。
同戦略案は、絶滅危惧種保護法(ESA)に基づき、生物多様性観点から除草剤の使用制限を強化するもの。900種以上の指定種と指定重要生息地について、農業での除草剤使用による潜在的なインパクトを軽減するとともに、使用可能な条件を見定めるための政策の方向性が盛り込まれた。
現行制度では、EPAは化学物質と種を掛け合わせた「一対一」で個別の影響を評価を行っているため、時間とコストが膨大に要するものとなっている。その結果、EPAがESA上の義務を果たしているのは、全体の5%未満に留まると見立てている。
そこで、今回の戦略案では「多対多」での評価を行う方式へ転換すること掲げた。対象は、米国合衆国本土(ハワイ州とアラスカ州を除き、ワシントンDC含む)の農業用除草剤に限定した。理由として、同地域では、毎年数億ポンドの除草剤が散布されており、殺虫剤や殺菌剤等と比べて遥かに多いことを挙げた。
また、対策として提示した影響緩和策は、農家が容易に実施できる内容となっていることを強調。さらに、米国西部等の雨量の少ない州や、化学物質が流出しにくい平坦な土地では必要な対策も少なくてすむことも伝えた。また、除草剤の流出を削減するためにすでに特定の対策を実施している農家を考慮し、すでに実施済みの対策がある場合は、講ずべき対策を少なくできるよう調整する案も盛り込んだ。
EPAは、同戦略案が実行できると、提示した緩和策の恩恵を受ける可能性のある大半の指定種を管轄している米魚類野生生物局(FWS)との協議をスムーズ化できると期待を込めた。
【参照ページ】EPA Releases Draft Strategy to Better Protect Endangered Species from Herbicide Use
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