年金基金の透明性国際ランキング「世界年金透明性ベンチーマーク(GPTB)」は7月19日、2023年の評価結果を発表した。日本を含む15ヶ国75機関が評価対象となった。
GPTBは、豪金融情報メディアConexus Financial.が2021年に初めて発表し、今年が3年目。評価観点は「コスト」「ガバナンス」「パフォーマンス」「ESG透視」の4つ。評価対象は第1回から継続して15ヶ国75機関が評価対象となっている。日本では、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、国家公務員共済組合連合会(KKR)、地方公務員共済組合連合会、全国市町村職員共済組合連合会、企業年金連合会(PFA)の5つ。
採点は、各年金基金のウェブサイト、アニュアルレポート、財務諸表等の公開文書が主な情報源。GPTBは情報収集には力を入れたが、網羅的にはなっておらず、むしろ情報のアクセスが容易であることが年金基金には求められるとコメントしている。
評価観点は、基本的には毎年同じだが、2023年にはESG投資の観点で変更点があった。具体的には、責任投資が組織の業績評価に与える影響を開示しているかという設問が削除、背景には同指標を開示している年金基金は過去ゼロであり、開示が容易ではないことを挙げた。一方、国連責任投資原則(PRI)の年次報告書に関する設問を追加した。
国別平均の首位はカナダ。以降、オランダ、オーストラリア、スウェーデン、英国、米国、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スイスと続き、日本は15ヶ国中14位だった。
年金基金別では、首位はノルウェーのGPFG。以降、カナダのCPPインベストメンツ、豪オーストラリア・スーパー、カナダCDPQ、米カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)、カナダPSP、カナダBCI、カナダオンタリオ州教職員退職年金基金、ニュージーランドPFZQ、スウェーデンAP4、英USSの順。日本の首位はGPIFで29位。それ以外は、KKR52位、PFA65位、地方公務員共済組合連合会69位、全国市町村職員共済組合連合会72位で下位に甘んじた。GPIF以外の4機関は、いずれもガバナンスとESG投資の観点で評価が非常に低い。
【参照ページ】Global Pension Transparency Benchmark 2023
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