米大統領府(ホワイトハウス)は7月31日、デジタル人材増加の連邦政府戦略「国家サイバー人材・教育戦略(NCWES)」を発表した。短期と長期の双方について包括的な政策を定めた。ホワイトハウスの国家サイバー長官室が全体統括を担う。
米連邦政府は現在、足元でのデジタル人材不足がすでに数十万に達していると見積もっている。これにより、経済だけでなく、安全保障上のリスクにもなっているとの見方をしている。ホワイトハウスは3月、「国家サイバーセキュリティ戦略」を発表し、産業や生活のデジタル化が進む中で、サイバーセキュリティを大幅に強化する必要があると伝えていた。
今回の戦略のポイントは、すでに制定しているインフラ・雇用促進法、半導体法、インフレ抑制法等の予算を通じて、連邦政府支出を増やすとともに、教育機関や企業等にも目標設定を促したことにある。「いかなる主体も単独では影響力を持ち得ないことを強調」とし、あらゆるステークホルダーにアクションを求めた。具体的には、組織単独ではなくエコシステムでの戦略遂行、あらゆる炉宇都社に対する生涯学習の追求、高所得な職を幅広い人に提供するダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)の3つを求めた。
実現に向け、NCWESが掲げたアプローチは4つの柱で構成されている。
すべての米国人に基礎的なサイバースキルを身につけさせる - 相互接続された社会の恩恵をすべての人が享受できるようにする
- 基礎的なサイバースキルの学習機会をすべての人に提供する
- 基礎的なサイバースキルとサイバーキャリアの追求を促進する
- 基礎的なサイバースキルの世界全体での進歩を強化する
サイバー教育を変革する - 熟練したサイバー労働力に対する当面の需要に対応すると同時に、ダイナミックな技術環境の将来のニーズに対応できるように学習を準備する
- K-12教育(幼稚園年長から高校卒業まで)、高等教育、コミュニティカレッジ、専門学校に至るまで、サイバー教育を改善するためのエコシステムを構築し、活用する
- コンピテンシーベースのサイバー教育を拡大する
- 教育者とサイバー教育システムの改善に投資する
- サイバー教育と研修をより手頃な価格で利用できるようにする
幅広いステークホルダーと協力し、スキルベースの採用・育成アプローチを採用する
- エコシステムを増大・強化することにより、サイバー人材を育成する
- スキルベースの雇用と労働力開発を促進する
- サイバー人材を強化するために米国のダイバーシティを活用する
連邦政府のサイバー人材を強化する - 求職者と現職者の双方に公務員としてのキャリアの利点を伝え、雇用と入社に関連する障壁を低くする
- 連邦政府の協力体制の強化を通じ、持続的な進展を促進する
- 有能で多様な連邦サイバー人材を惹きつけ、雇用する
- 連邦政府のサイバー人材におけるキャリアパスを改善する
- 人事能力と人材に対して投資する
今回の発表では、NCWESに基づく各機関のコミットメントも紹介した。連邦政府機関の他、マスターカード、グーグル、SAP、マイクロソフト、アクセンチュア等のコミットメントが記載された。
【参照ページ】FACT SHEET: Biden-Harris Administration Announces National Cyber Workforce and Education Strategy, Unleashing America’s Cyber Talent
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