食品世界大手スイスのネスレは7月14日、汎用性とコスト効率の高い特許取得済み減糖技術を発表した。低乳糖や脱脂乳をベースとした製品でも使用できる。
同技術では、酵素により、風味や食感への影響を最小限に抑えつつ、麦芽、牛乳、果汁等の原料に含まれる本来の糖質を最大30%削減できる。また、同酵素を低乳糖や脱脂乳の製品に使用すると、プレバイオティック繊維が発生。プレバイオティック繊維は、腸内の善玉菌を活性化させるため、健康にも有益。減糖した分を補うための甘味料や膨張剤を加える必要はないという。
同技術は、東南アジアのココアと麦芽飲料で初めて実証導入。過去1年で、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ等のココア味粉末麦芽飲料「Milo」にも導入してきた。
今回のアクションは、栄養価の高い植物由来製品や子ども向け製品等、特定分野の成長・拡大を進める同社アクションの一環。食品や飲料の栄養価の継続的な改善に加え、手頃な価格で栄養価の高い食品・飲料の提供を拡大する。
さらにネスレ米国法人は7月13日、同社ピザブランド「ディジョルノ」の小麦サプライヤー農家にリジェネラティブ農業を導入するための投資を行うと発表。資金援助と技術支援を組み合わせ、被覆作物の栽培、耕起の廃止と削減、農薬の使用削減等を進め、土壌の健康改善、水資源と生物多様性の保全につなげる。
同社は今回、リジェネラティブ農業の導入で同社主要サプライヤーのADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)とアーデント・ミルズと協働。米カンザス州、ノースダコタ州、インディアナ州、ミズーリ州の小麦農場に投資し、ディジョルノ使用する小麦栽培に必要な土地の約2倍相当の農地400km2以上でリジェネラティブ農業を導入予定。
ADM傘下のADM Millingは4月、英国サプライチェーンでの小麦の生産に伴う二酸化炭素排出量を英大手食品メーカー初算出。標準的な農業との比較で排出量が小さく、二酸化炭素3,800t以上の削減に寄与したと報告している。
【参考】【イギリス】ADM、小麦生産カーボンフットプリント算出。リジェネラティブ農業の有用性強調(2023年5月4日)
【参照ページ】Nestlé introduces breakthrough technology that reduces intrinsic sugars in key ingredients
【参照ページ】Nestlé U.S. advances regenerative agriculture practices in its DiGiorno wheat supply chain
【画像】Nestlé
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