科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)は6月30日、森林・土地・農業(FLAG)の科学的根拠に基づく目標設定と再提出を義務化するスケジュールを発表した。幅広いセクターの企業が影響を受ける。
【参考】【国際】SBTi、5月1日から改訂基準適用。FLAG(森林・土地・農業)目標設定要件が追加(2023年4月28日)
今回の新ルールは、食料・農林業等の土地集約型セクターの企業が対象。具体的には、農業、畜産業、林業、食品・たばこ、紙・パルプ、木材関連、アパレル、化粧品・消費財、耐久消費財(家電や電子機器、自動車含む)、タイヤ、小売、外食、宿泊・ホテル、観光が対象となる。さらに、建設、デベロッパー、資源採掘の事業からの排出量、スコープ3を含めた排出量(除去やオフセットは考慮しない)のうち20%以上を占める場合も対象となる。
対象企業は、5月1日以降にSBTiの1.5℃目標での初承認もしくは修正目標の承認を申請した場合、及びネットゼロ・スタンダード基準を申請した場合、FLAG目標の設定が義務化される。目標設定では、GHGプロトコルが4月に発表した「土地セクター及び除去ガイダンス」案を活用しなければならない。同ガイダンスは2024年半ばの最終完成を目指しているが、SBTiは先行して活用を義務付けた形。一方、4月30日までに目標案を提出し、承認作業を予約した企業は不要となる。
さらに、GHGプロトコルが「土地セクター及び除去ガイダンス」の最終版を発行した後は、現時点でSBTiからの目標承認を得ている企業も含め、最終版発行前に目標承認を得た企業は、最終版に準拠した目標の再提出が6ヶ月以内に行わなければならない。新規で目標承認の申請を受ける企業は、2025年12月31日までにFLAG目標を設定することにコミットしなければならない。
SBTiは今回、企業に対し、今後の目標再提出を見据え、いますぐアクションを始めるよう呼びかけた。
【参照ページ】SBTi FLAG Project: New Implementation Timelines Announced
【参照ページ】Land Sector and Removals Guidance: Topline Themes from Stakeholder Feedback
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