石油ガス世界大手米エクソンモービルは7月13日、増進石油回収(EOR)を主とした炭素回収・利用・貯留(CCUS)大手デンベリーを買収する契約を正式に締結したと発表した。買収額は49億米ドル(約6,800億円)。デンベリー1株にエクソンモービル0.84株を提供する株式交換方式。
エクソンモービルは、今回も買収により、二酸化炭素パイプライン全長1,300マイルを保有・運営することになり、米国最大のプレイヤーとなる。そのうち925マイルは、二酸化炭素排出量の多いルイジアナ州、テキサス州、ミシシッピ州の3州に位置する。陸上の二酸化炭素回収サイトは10ヶ所。現在の回収量は年間400万t以上。同社は今後、自社だけでなく、他社にもCCSインフラを提供し、今後10年間でCCSの導入を加速させる考え。
また今回の買収では、デンベリーが保有するメキシコ湾岸とロッキー山脈の石油・ガス事業も対象。石油換算の確認埋蔵量で合計2億バレル以上となる。日量生産量は石油換算で47,000バレル。
エクソンモービルは、今回の発表で、「低炭素ソリューション事業」を強化したとアピール。一方、実際には石油ガス権益を買収したことや、EORにより石油増産を狙ったものでもあり、資本支出とパリ協定の整合性については大きな懸念もある。
【参照ページ】ExxonMobil announces acquisition of Denbury
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