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【EU・日本】欧州委、日本の食品輸入制限を撤廃。ALPS処理水の監視重要と言及

 欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長は7月13日、岸田首相が北大西洋条約機構(NATO)首脳会合に出席したことにあわせ、日・EU首脳協議を開催。その場で、欧州委員会が2011年の福島第一原子力発電所事故に伴い導入していた、食品の輸入制限を全面解除すると発表した。EU加盟国も同決定を支持した。

 欧州委員会は2011年、日本産食品について、1kg当たり100Bqという放射性物質の上限値を設けており、同輸入規制が採択されて以来、2年毎にレビューをしてきた。最後のレビューは2021年9月に実施され、輸出前検査の制限を、野生キノコ、一部の魚種、野生食用植物に限定していた。今回、日本の当局及びEU加盟国による食品検査の結果が良好だったことを受け、全面解除を決めた。

 今回の規制解除により、日本では、これまで一部の食品をEUに輸入する際に必要とされた放射性物質検査証明書及び産地証明書が不要となった。

 欧州委員会は今回、日本政府が引き続き国内生産の放射能を監視することが重要と指摘。特に、ALPS処理水の放出場所に近い魚、水産品、海藻を言及し、トリチウムを含む放射性核種の存在について監視されるべきと伝えた。また、日本政府がすべての結果を公表することも重要とした。これらのコメントは、日本政府の発表には含まれていない。

 今回の日・EU首脳協議では、他には、従来の声明を確認したにとどまり、大きな実質的な決定事項はなかった。

 日EU関係では、EUとドイツ連邦外務省が共同出資するEUプロジェクト「アジアにおけるアジアとの安全保障協力の強化(ESIWA)」の支援を受け、東京大学公共政策大学院(GraSPP)に、戦略的コミュニケーション教育・研究ユニット」を設置。同6月30日に正式にプロジェクトを発足した。支援金は2年間で242,000万ユーロ(約3,800万円)。今回の日・EU首脳協議の共同声明では、同成果を歓迎した。

【参照ページ】EU-Japan Summit: Commission lifts the Fukushima restrictions on food imports
【参照ページ】EUが日本産食品の輸入規制の撤廃を公表(東日本大震災関連)
【参照ページ】第29回日・EU定期首脳協議
【参照ページ】「戦略的コミュニケーション教育・研究ユニット」を新たに設置

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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