世界経済フォーラム(WEF)は6月28日、世界各国のエネルギー転換状況を評価したランキング「エネルギー転換指数(ETI)」の2023年版結果を発表した。首位はスウェーデン。日本120カ国中で27位、G7の中では6番目の順位と振るわなかった。
同ランキングは、120ヶ国を対象に、「エネルギーシステムパフォーマンス」「エネルギー転換への準備状況」の2つの分野で評価。エネルギーシステムパフォーマンスは、「公平性」「エネルギー安全保障」「環境サステナビリティ」の3つの観点、エネルギー転換への準備状況は、「規制と政治的コミットメント」「インフラ」「教育と人的資本」「イノベーション」「ファイナンスと投資」の5つの観点で現在の進捗状況を評価した。2012年から毎年、測定結果を発表し、今回で13年目。但し、評価手法そのものも時折改定されており、今回は新たな評価手法での評価となった。
ETI 2023
- スウェーデン
- デンマーク
- ノルウェー
- フィンランド
- スイス
- アイスランド
- フランス
- オーストラリア
- オランダ
- エストニア
- ドイツ
- 米国
- 英国
- ブラジル
- ポルトガル
2023年の結果では、過去10年間で95%の国が総スコアを伸ばし、中国、インド、韓国、インドネシア等エネルギーの大量消費国で大きく改善したと評価。一方で、ETIスコアの伸びが鈍化しており、近年のエネルギー危機、地政学的な不安定さにより、過去の取り組みを犠牲にし、安価で安定したエネルギー供給を行ったと報告した。
G7諸国では、フランス7位、ドイツ11位、米国12位、英国13位、カナダ19位、日本27位、イタリア38位の順。日本は2021年の結果では37位、今回は10ポイント順位を上げた。日本は、GDP当たり二酸化炭素排出量が欧米諸国と同様に評価が高かったが、再生可能エネルギーの設備容量が最低の「レッド」評価。昨年からの変化では、GX推進会議が制定されたことで、規制・政治的コミットメントのスコアは上昇したが、教育・人的資本とイノベーションのスコアが非常に低く、他国との差が広がっている。
世界経済フォーラムは、日本の課題を提示。日本は、諸外国と異なり、原子力発電への依存度が高いと言及。また、水素エコノミーでは、かつては世界のリーダーだったが、現在はそうではないことを示唆した。解決策としては、国際エネルギー機関(IEA)が2021年に発行した日本向けの報告書に触れ、低炭素技術の利用加速、ゼロエミッション電力への投資奨励、電力系統の柔軟性を向上させるための規制障壁の撤廃、エネルギー市場の競争強化を挙げた。
【参照ページ】New Report Finds Global Shocks Affect Energy Transition Progress, With Sustainability Advancing, While Equity Suffers
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