世界大手50社のCEOまたは経営陣は6月12日、EUに対し、気候変動と自然の双方の危機に対処するための自然再生法の早期成立を促す共同声明を発表した。自然破壊からの回復と生態系保護のための包括的アクションを求める国際的な連合体Business for Natureが音頭を取った。
同法は、欧州委員会が2022年6月、生物多様性戦略を具体化する形で発表。現在、EU理事会及び欧州議会との調整作業が行われている。今回の共同声明は、EU加盟国首脳、欧州議会議員、欧州委員会委員長に対し、早期可決を促したもの。
【参考】【EU】欧州委、自然再生法と農薬50%減で政策発表。生物多様性戦略を具体化(2022年6月24日)
今回の共同声明に署名したのは、H&M、インディテックス、ホルシム、テトラパック、ジョンソン・マッセイ、Ingka Group、ユニリーバ、ロクシタン、ネスレ、ダノン、セールスフォース、ウィプロ、イベルドローラ、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、シュローダー、Mirova、Impax Asset Management等。日本企業では、明治ホールディングスが署名した。
同声明では、生活費や商品価格が高騰し、インフレが進む中、ネイチャーポジティブとカーボンニュートラルで公平(エクイティ)な未来への転換は、繊細かつ透明性をもってマネジメントされなければならないと提唱。農家、漁師、先住民、地域コミュニティ等、世界の自然資源を管理する人々は、この移行において支援され、恩恵を受けなければならないと強調した。
Business for Natureは、5月16日にも欧州委員会に対し、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)及び欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の策定において、政策的な野心と義務的要件を含めるよう要請する共同書簡を発表。環境系38団体が署名している。特に、昆明-モントリオール生物多様性枠組のターゲット15で、すべての大企業と金融機関に対し、事業、サプライチェーン、バリューチェーン、ポートフォリオを通じ、自然に対するリスク、影響、依存関係を評価し開示することを義務づけることをコミットしていることに触れ、企業の義務にすることを要請している。
【参照ページ】CEOs and executives from 50 companies and financial institutions urge the EU to adopt environmental legislation to address the nature and climate crises together
【参照ページ】Businesses and organizations support ambitious EU reporting standards to scale and speed up nature action
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