伊藤忠商事は6月9日、EUの二酸化炭素量取引市場(EU-ETS)で創出されている排出権の販売拡大に向け、英排出権販売CFパートナーズ(CFP)と業務提携したと発表した。アジア地域の顧客向けに排出権購入チャネルを提供していく。
今回の発表の背景には、EU理事会が4月、炭素国境調整メカニズム(CBAM)の導入を決定したことがある。セメント、アルミニウム、肥料、電気、水素、鉄鋼、一部の前駆物質と下流製品を対象に、EU域外からの輸入製品に対し、排出量に応じた炭素コストを負担させる。
【参考】【EU】EU-ETS改革と炭素国境調整メカニズム(CBAM)の関連法成立。CBAMは2026年から(2023年4月27日)
伊藤忠商事は、CFPが調達・保有する排出権の販売窓口として、日本やアジア諸国での排出量取引を支援。また、顧客向けにEU-ETS関連セミナー開催や業界情報発信等も行う。
さらに同社は6月8日、中古携帯端末流通Belong、フードデリバリー大手Uber Eatsの日本法人とともに、フードデリバリーでの廃棄プラスチック削減で協働すると発表した。
まずBelongが国内のUber Eats加盟店10万店舗以上向けにサステナブル梱包材が購入可能なポータルサイトを開発。伊藤忠商事は同サイトを通じ、同社グループやパートナー企業が取り扱うフードデリバリー向け梱包材や店舗向け業務用資材を提供する。
3社はすでに、2022年6月からUber Eatsの国内加盟店向けにタブレット端末の回収・再利用事業「リペアプログラム」を展開済み。今回開発したポータルサイトでは、リペアプログラムも組み入れ、Belong が取り扱う中古タブレット端末も提供する予定。
Uberは、2030年までに世界中のUber Eats の注文で包装として使用される非リサイクルの使い捨て廃プラスチック・ゼロ、2025年までにアジア太平洋地域のUber Eats上での注文の包装の80%をサステナブル素材にすることを目標として掲げている。今回のアクションもその一環。
【参照ページ】EU-ETSの対象拡大と炭素国境調整メカニズムの導入を見据えた(英)環境ソリューション企業CF Partnersとの業務提携について
【参照ページ】サステナビリティ事業におけるUber Eats Japan との協業について
【画像】伊藤忠商事
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