化学世界大手米ダウと米バイオ原料開発New Energy Blueは5月25日、北米初の農業残渣由来エチレン供給に関する契約を締結し、バイオプラスチック製造に活用すると発表した。ISCC+認証も取得予定。
New Energy Blueは、2015年設立のスタートアップ企業。農業残渣を活用したバイオ燃料やバイオ原料の開発を行っている。同社は現在、米アイオワ州メイソンシティに米国初のバイオマス精製工場「New Energy Freedom」を建設中。同工場ではトウモロコシの茎を年間27.5万t処理でき、2025年末稼働開始予定。
ダウは今回、New Energy Blueが同工場でトウモロコシの茎葉から生成したバイオエタノールのうち、約半分の購入契約を締結。同工場の建設、生産能力拡大も支援する。両社は今後、プロジェクト4本の展開を計画しており、二酸化炭素排出量を年間合計100万t削減できる見込み。
今回活用するトウモロコシは、毎年地域の農家から直接調達予定。米国農家は、農業残渣をバイオマス精製用に販売することで、農家の収入増や、土壌の炭素貯留量を高める農法の採用が期待できると語った。
またダウは4月25日、英リンデと協働し、カナダ・アルバータ州フォートサスカチュワンに建設予定のカーボンニュートラル型エチレンクラッカー及び誘導品生産プラントでオフガスから水素を生成・使用する計画も発表した。2023年第4四半期に最終的な投資決定を行い、2027年に第1段階を開始する見込み。
リンデは、空気分離・自己熱改質複合施設の設計・エンジニアリングを担当。フォート・サスカチュワンの同社既存事業と統合し運営する計画。同工場では、クラッカーのオフガスを水素に変換し、エチレン生産プロセスで活用。二酸化炭素は回収し、隣接する第三者の炭素貯留インフラに貯留する。
同工場は、ダウの世界全体でのエチレン生産能力の約20%をカーボンニュートラル化し、ポリエチレン供給量を約15%拡大。2030年までにバリューチェーン全体で約10億米ドル(約1,356億円)のEBITDAの成長に寄与する。
【参照ページ】Dow and New Energy Blue announce collaboration to develop renewable plastic materials from corn residue
【参照ページ】Dow selects Linde as clean hydrogen and nitrogen partner for its proposed net-zero carbon emissions ethylene and derivatives complex in Canada
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