小売世界大手米ウォルマートは6月1日、Eコマースでの廃棄物削減を強化すると発表した。ウォルマートは、Eコマース事業が急成長しており、Eコマースでの対策が重要となってきている。
廃棄物削減では、従来はプラスチック製袋で配送していたが、リサイクル可能な紙製配送へと転換する。これにより、2023年年度末までに6,500万枚、合計2,000t以上のプラスチック製の袋が米国内で廃止できるという。
同時に、オンライン注文・店頭受取サービスで、マイバックでの受取りを注文時に選択できるようにする。事前の実証では、毎年、何百万枚もの使捨てビニール袋を廃止できる効果が見られたという。同社、年内に全米での展開を完了する予定。
さらに、フルフィルメント・ネットワークの約半分で適正サイズ・パッケージング技術を導入。箱の充填率を上げる梱包を最適化し、商品発送に使用する段ボール量を削減することにも成功した。改善効果は、緩衝剤使用を60%削減し、特大の箱による廃棄物を26%も削減できたという。
無駄な配送も削減する。AIを活用し、オンライン注文の商品のうち、フルフィルメントセンターではなく、店舗から直接配送できるものを特定。これにより、フルフィルメントセンターから店舗への配送の走行距離と配送に使用する箱の数を削減する。また、店舗から顧客の家まで、複数の注文を1つの配送ルートにまとめ、EVバンを使って配送する。この店舗のフルフィルメントセンター化は、すでに4,700店舗で導入されている。
同社は他にも5月31日、店舗内で働く薬剤師と検眼士の給与を引き上げることも発表している。同社は現在、店舗内でのメディカルサービス事業を重視しており、報酬も重要な事業検討事項となってきている。
今回の発表では、薬剤師3,700人、検眼士4,000人以上の給与を一斉にアップ。薬剤師の平均年収は14万米ドル以上となった。検眼士の平均賃金は時給22.5米ドル以上になる見込み。同社は昨年にも薬剤師をサポートするファーマーシー・テクニシャン職の従事者36,000人の時給も20米ドル以上に引き上げている。
【参照ページ】Walmart Doubles Down on Reducing Waste To Create More Sustainable Omnichannel Fulfillment Network
【参照ページ】Walmart Launches New Approach to Pharmacy Tech Wages With More Frequent Raises
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