自動車世界大手独フォルクスワーゲンは5月2日、加盟業界団体の気候変動方針レビュー報告書「Association Climate Review 2023」を発行した。機関投資家からの要求に応じ、気候ロビー活動の報告書を作成し、公表した形。
同報告書では、欧州自動車工業会(ACEA)、ドイツ自動車工業会(VDA)、チェコ自動車工業会(AIA)、英国自動車工業会(SMMT)、米国自動車工業会(Auto Innovators)の6つの加盟団体を評価した。評価手法は、機関投資家グループとも協議し、決定。パリ協定との整合性やゼロエミッション車への転換姿勢の2つが評価軸となった。
評価結果は、欧州自動車工業会(ACEA)、ドイツ自動車工業会(VDA)、チェコ自動車工業会(AIA)の3つが完全整合。一方、スペイン自動車・トラック製造者協会(ANFAC)、英国自動車工業会(SMMT)、米国自動車工業会(Auto Innovators)は、パリ協定との整合性が明確ではなく、部分整合の判定となった。
同社は今回、完全整合を求めていくため、部分整合の業界団体に対し、継続的なエンゲージメントを行うことを表明。役員クラス級の会議体を設置し、対応方針を決めるとした。業界団体が完全整合に向けた改善方針を示さない場合は、業界団体からの脱退も検討すると言及した。
気候ロビー活動に関する報告については、近年、同社の株主総会をめぐる大きな事案となっている。機関投資家側が株主提案で、報告書の作成と公表を求めてきたのに対し、同社側は、株主の権限を逸脱しているとし、株主総会議案から一方的に排除してきていた。これに対し、2022年10月、AP7及び英国国教会年金理事会を含む6つの欧州の機関投資家が、訴訟準備を始めたことを表明していた。
【参照ページ】Association Climate Review 2023
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