化学世界大手独BASFは5月3日、独包装・容器製造クロネス、独フィルム包装大手SÜDPACK、ノルウェー・リサイクルTomraの3社とともに、ポリエチレンテレフタレート(PET)とポリエチレン(PE)の多層包装をクローズド・ループ・リサイクルする共同実証プロジェクトに成功したと発表した。
同実証は、クロネスがドイツ・フレンスブルクに保有する工場で展開。既存インフラのみを活用し、多層包装のPET/PE化合物の69%を完全分離し、12%を部分的に分離することに成功した。
実証プロジェクトの第一段階では、BASFが開発した剥離接着剤を活用しつつ、SÜDPACKが、水性ラミネーションに関する専門性を活かして、苛性ソーダを使った温水洗浄で分離できる多層フィルムを開発した。
次に、Tomraが保有する多層フィルムの分離技術「AUTOSORTTM」を活用し、リサイクル可能なPET/PEトレイとリサイクル不可能なトレイを分離することに成功。最後に、クロネスが、ラミネートPET/PEフィルムを量産規模で単層に分離する実証を行い、分離したPETとPEがモノマテリアルとして再利用できることが確認できた。
BASFは今回、EUの欧州グリーンディール戦略では、2030年までにパッケージ材をリサイクル可能なものにすることが、現在審議中の「包装・包装廃棄物規則(PPWR)」によって規制される予定であることにも言及。今回の実証は、同規則の要件を満たすものにっていることを強調した。
同プロジェクトは、現在も進行中。リサイクルプロセスのパラメーター調整や、ラミネート接着剤のさらなる開発を進め、プラスチックリサイクル率の改善を目指す。
【参照ページ】Collaboration project shows: multi-layer packaging can be separated and recycled on an industrial scale
【画像】BASF
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