国際的なカーボンオフセット基準管理団体米Verraは4月19日、REDD(森林減少および森林劣化による排出の削減)でのカーボンクレジット創出に関する新たな体系的なメソドロジー案を公表した。2009年以来の大規模改訂となる。
VerraのREDDメソドロジーについては1月、環境ジャーナリスト団体SourceMaterial、英紙ガーディアン、独紙ディー・ツァイトが、Verraが発行しているREDD+プロジェクトからのカーボンクレジットのうち94%が「無価値」と報道。メソドロジーを批判していた。それに対しVerraは、報道内容の計算が間違っていると指摘しつつ、さらに改善した新たなメソドロジーを2023年中にリリースする予定と伝えていた。
【参考】【国際】環境ジャーナリスト、Verraの森林破壊回避カーボンクレジットを批判。Verraは強く反論(2023年1月29日)
今回の改訂作業開始は、2020年1月に発表。関係機関との協議を進めてきた。改訂の柱は、REDDプロジェクトのかなりの部分である計画外森林破壊回避(AUD)活動を含む5つの別々のメソドロジーを、「森林減少および森林劣化による排出削減(REDD)メソドロジー」として一本化。その中に「計画外森林破壊の回避による排出削減量の推定モジュール」を組み込み、特定の国や地域のすべてのAUDプロジェクトに対してベースラインを設定することが初めて可能となった。
さらに「計画外森林破壊の回避による排出削減量の推定モジュール」のベースラインデータも整備する。今回、ブラジルのアクレ州、アマパ州、アマゾナス州、パラー州、ロンドニア州、カンボジア、コロンビア、コンゴ民主共和国のマイナンベ州、ケニア、タンザニア、ザンビア、ジンバブエの12地域のデータを公表した。2024年末までに、AUDプロジェクトが展開されている40以上の全法域で、各域のベースラインを設定しにいく。
Verraは今回、「森林減少および森林劣化による排出削減(REDD)メソドロジー」と、「計画外森林破壊の回避による排出削減量の推定モジュール」のベースラインデータについて、パブリックコメントの募集を開始。同時に、「森林減少および森林劣化による排出削減(REDD)メソドロジー」について、Aster Globalからの第三者監査も取得しにいく。最終的に2023年第3四半期に最終決定、公表する予定。
また新メソドロジーで活用するリスクマッピングとアロケーションのためのツールも近々発表する予定。
【参照ページ】Verra Publishes Draft of New Consolidated REDD Methodology, Initiates Jurisdictional Data Development
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