世界経済フォーラムは3月2日、ブルーカーボン・クレジットやプロジェクトを支援するための新たなイニシアチブ「ブルーカーボン・アクション・パートナーシップ(BCAP)」の発足を発表した。英政府が400万ポンド(約6.6億円)を拠出。政府、コミュニティ、企業が協力し、海洋生態系の回復、保全、持続可能な管理を行うことを支援する。
今回の発表は、WEFの海洋行動アジェンダによるもの。気候変動目標の達成に向けてブルーカーボン・クレジットやプロジェクトに対する各国政府や企業の需要は急速に高まっている。しかし、曖昧な政策枠組み、多大なプロジェクト開発と検証のコスト、ガイダンスの不足等により供給が不足。また、急速なブルーカーボン市場の発展は持続可能性に対する検討が不足する危険性もある。
同イニシアチブでは、世界の主要なステークホルダーと協力し。政策や投資の課題解決に向けて協働する。国レベルでは、各国の気候変動目標達成に向けて、既存のイニシアチブと協力し支援を行うと同時に、国別の支部となる「ナショナル・ブルーカーボン・アクション・パートナーシップ(NBCAP)」の設立に向けて試験的に取り組む。第1弾はインドネシア。WEFは2023年1月、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の場で、ブルーカーボン創出と海洋保全を支援するため、インドネシア政府と新たなパートナーシップを締結していた。
【参考】【国際】世界経済フォーラム、ブルーカーボンでインドネシア政府と提携。クレジット創出(2023年1月21日)
企業レベルでは、WEFは2022年11月、国連気候変動枠組条約第27回シャルム・エル・シェイク締約国会議(COP27)で、高品質なブルーカーボン・プロジェクトを実現するための原則とガイダンスをまとめた報告書を発表しており、企業と協力しガイダンスを実践する。今回の発表では、積極的な企業として、アップルとセールスフォースの名前を挙げた。
英政府は2021年6月、ガーナ、インドネシア、太平洋島嶼国等の発展途上国に対して漁業のサステナビリティに向け、マングローブやサンゴ礁等の沿岸生態系を保護および回復し、海洋汚染の低減を支援するために、5億ポンドのブループラネット基金を発足した。同基金のプログラムの1つである気候・海洋適用と持続可能な移行(COAST)プログラムがBCAPに400万ポンド(約6.6億円)を拠出する。
【参考】【イギリス】政府、ダスグプタ・レビューを受け、全政策への生物多様性組入れに着手(2021年6月18日)
【参照ページ】New Initiative to Help Government and Business Navigate Untapped ‘Blue Carbon’ and Restore Coastal Ecosystems
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