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【日本】小売大手4社、「持続可能な食品物流構築に向けた取り組み宣言」。2024年物流危機

 サミット、マルエツ、ヤオコー、ライフコーポレーションの小売4社は3月16日、「持続可能な食品物流構築に向けた取り組み宣言」を発表。同時に「首都圏 SM物流研究会」も発足した。2024年から懸念が高まる「物流危機」に備え、抜本的な改革を進める。

 日本では2018年に働き方改革関連法が成立。時間外労働の上限が月45時間、年360時間となった。大企業では2019年4月1日、中小企業から2020年4月1日から施行されているが、建設業や輸送業、医師等は2024年4月1日まで施行が延期されていた。輸送業は2024年4月1日から時間外労働の上限が年960時間とゆるく設定され、一般的な上限の適用はまだ未定。背景はトラックドライバー等が不足しているため。

【参考】【日本】働き方改革関連法成立。残業上限設定、脱時間給制度導入、同一労働同一賃金が柱(2018年7月4日)

 持続可能な食品物流構築に向けた取り組み宣言では、4つのアクションを宣言した。まず、加工食品における180日以上の賞味期間の商品に対し、業界慣行の「1/3ルール」を「1/2ルール」にシフトすることで、商品管理業務の負担と食品ロスを軽減する。

 他には、加工食品における定番商品の店舗発注時間を前倒しし、卸売・輸送事業者の業務逼迫を解消。特売品・新商品の計画発注化を進め、確定した発注データをもとに商品や車両の手配ができる環境を整える。さらに、卸売業と小売業間の受発注方式に、標準化された流通BMSを導入し、業務効率化を進める。

 輸送業への働き方改革関連法の適用に向けては、厚生労働省と国土交通省が連携し、2020年に「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」を発表。荷物の効率化等の例を紹介した。一方、荷主側だけでなく、川下企業の協力も不可欠となるため、その後、農林水産省、経済産業省、国税庁も加わり「加工食品、飲料・酒物流編」を発行。在庫管理の改革も推奨し、その中で「3分の1ルールの見直し徹底」も含まれていた。現在他にも「建設資材物流編」「紙・パルプ(洋紙・板紙分野)物流編」「紙・パルプ(家庭紙分野)物流編」が発行されている。

 また今回4社が設立した「首都圏SM物流研究会」は、4社協働で展開できる大きな施策を検討していく。4社は、物流分野を各企業間の「競争領域」ではなく「協力領域」と捉えた。

 業界全体ではすでに、日本スーパーマーケット協会(JSA)、全国スーパーマーケット協会(NSAJ)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)の小売3団体、日本加工食品卸協会(NSK)と、味の素、カゴメ、キッコーマン食品、キユーピー、日清オイリオ、日清製粉ウェルナ、ハウス、ミツカンの8社が加盟する食品物流未来推進会議(SBM)が、「フードサプライチェーン・サステナビリティプロジェクト(FSP)」を結成。「1/2ルール」の導入、小売・卸間と卸・メ
ーカー間の定番発注締めの時間調整、特売・新商品の確定数量化を可能にする適正納品リードタイムの確保の3つを進めている。コンビニエンスストア各社では、スーパーマーケットより早く、1/2ルールへのシフトが始まっている。

【参照ページ】持続可能な食品物流構築に向けた取り組み宣言
【参照ページ】『首都圏SM物流研究会』の発足について
【参照ページ】荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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