英小売大手テスコは4月3日、商品として販売する英国産の観葉植物の栽培で泥炭使用を全面禁止したと発表した。同様の施策は英小売初。同社は年間で4,000万本の観葉植物を販売している。
泥炭は、養分が豊富なため、販売されている植物の栽培時での利用だけでなく、堆肥として小売販売されている。泥炭を活用することは、泥炭に貯留されている炭素を大幅に放出していくことにつながり、気候変動を悪化させてしまう。英国では、政府が2021年、泥炭地から採取した泥炭小売販売を段階的に禁止する方針を発表。イングランド地方では一般人向けの泥炭堆肥販売が2024年から禁止されることがすでに決定している。
【参考】【イギリス】政府、泥炭地から採取した泥炭小売販売を段階的禁止へ。生態系保護と気候変動対策(2021年12月31日)
同社は2022年3月、英国小売として初めて、販売用に植物栽培で泥炭使用を禁止していく方針を決定。但し、当初は、泥炭に替わる有効な代替素材がなかったことから、堆肥配合での泥炭使用率の上限を5%とするアクションから開始。同時に代替手段の探求を始めていた。結果、泥炭を完全代替する手段として、FSC認証工場で生産された白木のチップを活用したウッドファイバーや天然副生物を見出した。
今回の施策は、英リンカンシャー州スポルディングに本社を置く同社の観葉植物サプライヤーであるブリッジファーム・ホーティカルチャーと協働することで実現した。泥炭使用禁止により、年間9,000m3の泥炭使用を回避。年間1,200万tの削減効果できる。削減率では75%となる。
同社はすでに2023年初頭から、泥炭フリー堆肥の小売販売も開始。法令導入を先行するアクションとして注目を集めている。
【参考】【イギリス】テスコ、従業員賃金・スキル向上に大幅投資。契約酪農家への安定価格保証も(2022年4月18日)
【参照ページ】Tesco to go peat-free on UK-grown bedding plants and compost in major carbon-saving move
【参照ページ】Sale of horticultural peat to be banned in move to protect England’s precious peatlands
【画像】Tesco
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