環境省は3月31日、「ESG地域金融実践ガイド2.2」を公表した。今度の調査から課題として浮かび上がってきた「腹落ち感(納得感)の醸成」「地域へのインパクト創出」「金融機関内でのPDCAの仕組み化」の3つの課題を深堀りした
【参考】【日本】環境省、ESG地域金融実践ガイド2.0発行。地域金融機関の顧客企業への実施アプローチを3つ紹介(2021年4月7日)
同省は同日、2022年度のESG地域金融に関するアンケート調査結果も公表している。同調査にはメガバンクから信用組合まで509社に調査票を送付し、355社から回答を得た。回答率は69.7%と高かった。
調査の状況では、環境・社会領域の資金需要が伸びていく期待度は高く、アクションを強化する金融機関は増加。一方、引き続き、地域における重点分野・課題の特定や、金融機関内の評価・モニタリング体制構築が課題だった。カーボンニュートラルについても浸透していないことがわかった。
今回の改訂では、ガイド本編から経営陣向けサマリーを分割。経営陣向けのメッセージを強化した。また、「腹落ち感(納得感)の醸成」「地域へのインパクト創出」「金融機関内でのPDCAの仕組み化」を補足するため、本編の改訂に加え、事例も追加した。また共通課題となっている組織課題では、部署間の役割を明確にした上で、本部と支店・営業店の密な情報連携によるPDCAサイクルの確立モデルも掲載した。
ESG地域金融では、農林水産省も環境省と連携し、「農林水産業・食品産業に関するESG地域金融実践ガイダンス」を発行。3月31日には第2版が公表された。
環境省は同日、中小企業に対し、カーボンニュートラルに関する専門的アドバイスを行う人材への民間資格制度が普及することを狙い、資格制度に対する審査ガイドラインも発行。主に地域金融機関が資格を取得することを想定している。民間資格制度は、2023年度中に運用を開始する。
一方、金融庁も3月30日、地域金融機関の事業者支援能力の向上を後押しするため、「業種別支援の着眼点」を発行。用意されているのは、建設業、飲食業、小売業、卸売業、運送業。しかしこちらにはESGの観点はあまり盛り込まれなかった。同庁は別途、「AIやICT技術を活用した経営改善支援の効率化に向けた調査・研究」の概要も公表している。
【参照ページ】「ESG地域金融実践ガイド2.2」の公表について
【参照ページ】2022年度ESG地域金融に関するアンケート調査について
【参照ページ】「農林水産業・食品産業に関するESG地域金融実践ガイダンス(第2版)」の公表について
【参照ページ】脱炭素アドバイザー資格制度認定ガイドラインの公表について
【参照ページ】地域金融機関の事業者支援能力の向上を後押しする取組について
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