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【日本】経産省、自動車業界のトランジション・ファイナンス技術ロードマップ公表。補助金活用は9件

 経済産業省は3月31日、トランジション・ファイナンスに関する自動車分野における技術ロードマップを公表した。2021年10月の鉄鋼分野、2021年12月の化学分野、2022年2月の電力、石油、ガスに続く第5弾。自動車業界の調整には、2021年5月の「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」発表から約2年を要した。

【参考】【日本】経産省、セメントと紙・パルプ分野のトランジション・ファイナンス技術ロードマップ公表(2022年4月8日)
【参考】【日本】経産省、鉄鋼の脱炭素ロードマップを提示。トランジションファイナンス向け第1弾(2021年10月31日)
【参考】【日本】経産省、化学分野でのトランジション・ファイナンス技術ロードマップ公表(2021年12月10日)
【参考】【日本】経産省、電力・ガス・石油分野のトランジション・ファイナンス技術ロードマップ公表(2022年2月18日)

 トランジション・ファイナンスでのロードマップは、経済産業省、環境省、金融庁と共同して5月に発表した「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」に基づくもの。各業界での「トランジション・ボンド/ローン」での資金調達の観点を提供している。特に、日本では、カーボンニュートラル化できる技術分野を「グリーン」とした上で、そうではないカーボンニュートラル化までの暫定的な技術分野を「トランジション」と定義し、経済産業省は、トランジション分野に注力させようとしている。

【参考】【日本】政府、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」採択。ほぼ全業種でロードマップ提示(2020年12月25日)
【参考】【日本】政府、第6次エネルギー基本計画を閣議決定。7月発表の素案から修正なし(2021年10月22日)

 自動車業界のトランジションでは、製品製造、製品使用、エネルギー製造・供給の3つの分野で技術ロードマップを掲載した。最も排出量の多い製品使用では、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)、合成燃料(eFuel)車を同列に扱った。また、交通流の最適化、輸送の効率化、車載コンピューティング技術の省エネ化も対象とした。

 製品製造では、バッテリーやモーター等の開発、バッテリーの二次利用・リサイクル、工場省エネ、炭素回収・利用・貯留(CCUS)・大気直接回収(DAC)、再生可能エネルギーやゼロエミッション電源の活用を挙げた。

 エネルギー製造・供給では、EV充電スタンドと水素補給ステーションの整備、水素やバイオ燃料、合成燃料の製造を挙げた。

 トランジション・ファイナンスに関する技術ロードマップは現在、「クライメート・イノベーション・ファイナンス推進事業の補助金」として、「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」への準拠を確認するセカンドオピニオン取得費用の補助金を支給するために使われている。

 同補助金が活用されているトランジション・リンク・ローン/ボンドの活用事業者は、組成順に、北陸電力、東邦ガス、東京ガス、キリンホールディングス、日本航空、太平洋セメント、川崎汽船、三菱HCキャピタル、北海道電力の9件。内訳は初期はボンドが3件続いたが、以降は全てローン。セカンドオピニオンは、DNVが5件、日本格付研究所(JCR)が3件。いずれのケースでも、国際資本市場協会(ICMA)等の各種ボンド原則や各種ローン原則の準拠が同時に確認されている。「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」への準拠を確認する意義としては、セカンドオピニオン取得補助金がもられる点と言える。

【参照ページ】脱炭素化への移行に向け、トランジション・ファイナンスに関する自動車分野におけるロードマップを取りまとめました

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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