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【日本・アメリカ】両政府、重要鉱物協定を締結。サプライチェーンでの環境・人権を確保

 日米両政府は3月28日、重要鉱物協定(重要鉱物サプライチェーンの強化に関する日本政府と米国政府との間の協定)に署名。同協定が発効した。

 同協定は、電気自動車(EV)バッテリーを念頭に、重要鉱物のライフサイクル全般でサステナビリティを確保することを規定。その上で、米インフレ抑制法で導入が決まった「クリーンカー減税」でも日本が提供する重要鉱物やEVバッテリーが減税対象となるということも報じられている。

 今回の協定は、環境と人権の双方でサステナビリティの確保を掲げた。まず、両国政府として、重要鉱物の採掘、加工、リサイクル、使用後の廃棄のライフサイクル全般で、環境に著しい影響をもたらす可能性のあるプロジェクトを事前に環境アセスメントする手順を確立する方針を確認。自国が締約国である国際環境条約を実施することを確約した。さらに、重要鉱物に関する国の政策及び手続を策定する際に、適宜、重要鉱物のライフサイクルに関連する環境ベストプラクティス及び環境サステナビリティに関する国際ガイドラインを考慮することの重要性も認識した。

 また、環境サステナビリティでは、サーキュラーエコノミーアプローチを促進することを方針とし、製品の高寿命化、再利用及び再生素材の含有量を増やしつつ、サプライチェーン全体で廃棄物を削減することでも合意した。

 人権では、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」に含まれる人権を遵守することを確認。同宣言が掲げる人権には、国連ビジネスと人権に関する指導原則の対象となる「結社の自由」「強制労働禁止」「児童労働禁止」「職場での差別禁止」の中核的労働基準4分野8条約に加え、2022年に追加された「労働安全衛生」の2分野2条約も対象となる。強制労働と児童労働では、全部もしくは一部が資源抽出された輸入を禁止する方向性を確認。サプライチェーンにも内容が及ぶこととなる。

 差別禁止では、性、妊娠、性的指向、性自認、介護責任に基づくものを含む雇用差別から労働者を保護し、子の出生又は養子縁組及び家族の介護のための雇用保護休暇を提供し、賃金差別から保護するために適切と考える政策を維持していくことを確認した。移民労働者に対しても、締約国の法律に基づく国民の扱いでなかったとしても、人権が保護されることを確認した。

 人権の確保では、サプライチェーンを含めた人権デューデリジェンスを実施していくルール整備を政府として行うことを確認。両国でベストプラクティスも確認していくとした。

 また、両国は、相手国の領域に輸出される重要鉱物に輸出関税を課さないという現在の慣行を維持することでも合意。サステナビリティ基準が遵守されている場合に、相手国の重要鉱物に内国民待遇を与える義務があることも確認した。重要鉱物のラベリング及びリサイクルに関する国際基準を含む進行中の作業で、協力を継続することも確認した。

 インフレ抑制法上の扱いについては、近々米財務省から発表がある模様。

【参考】【アメリカ・EU】米EU首脳会談、EU産重要鉱物をインフレ抑制法クリーンカー減税の要件算入で合意(2023年3月11日)

【参照ページ】日米重要鉱物サプライチェーン強化協定の署名
【参照ページ】

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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