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【国際】バイエル、新たな水・衛生戦略発表。経営意思決定・サプライヤー選定等へ水観点統合

 化学世界大手独バイエルは3月21日、バリューチェーン全体で水消費効率と水質を改善する新たな水戦略を発表した。ビジネス上の意思決定、投資、サプライヤーの選定において、水を不可欠な要素として設定する。

 今回の戦略では、「レジリエントな農業」「事業と投資」「サプライヤーと農家」「事業所と工場」「アンバサダーとパートナーシップ」の5分野に言及。

 レジリエントな農業では、同社の事業展開地域の小規模農家の稲作システムの変革を支援し、2030年までに農作物重量当たりの水消費量を25%削減することにコミットした。同社はすでに、同年までに作物保護製品ポートフォリオの環境負荷30%削減にもコミットしており、これらによる水質改善を目指す。世界の淡水取水量のうち、農業用途は平均70%を占め、特に米は、世界の灌漑用水取水量の最大43%を占める。同社はまず、米生産での変革に注力する。

 事業と投資では、水質と水消費量を事業の意思決定プロセスに統合するコンセプトを開発中。2024年以降の展開を目指している。2021年にはすでに、水と廃水は同社の設備投資額(CAPEX)の約10%を占めているとし、その重要性を強調した。

 サプライヤーと農家では、主要サプライヤーと、水を含むサステナビリティ関連リスクの高いサプライヤーに対し、水関連のパフォーマンス評価を行う。同社は、新たなサプライヤー行動規範も公表し、水と廃水では専用の項目も設けた。また種子生産では、農家と協働し、水消費効率の改善を継続するとした。

 事業所と工場では、事業所の全従業員に対する水・衛生(WASH)へのアクセスにコミット。また従業員だけでなく、同社が事業展開する特定地域コミュニティ全体を対象としていく。アクションでは、既存の水マネジメントシステムを導入し、水不足地域の事業所での水消費を最適化。2030年までに水不足地域が予測される事業所にも拡大する。その他、水に関する2030年目標を2025年までに設定するとした。

 アンバサダーとパートナーシップでは、世界気象機関(WMO)が支援するWater and Climate Coalitionのパネル「水と気候リーダーズ」や、水レジリエンス・イニシアチブ「Water Resilience Coalition(WRC)」に参画。環境活動家ミナ・グリ氏とのパートナーシップや、国連気候変動枠組条約第27回シャルム・エル・シェイク締約国会議(COP27)で発足した国際旱魃レジリエンス同盟(IDRA)を通じた水分野でのアクション等も進めている。

【参照ページ】Bayer pledges to help tackle global water crisis with new water strategy

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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