国連教育科学文化機関(UNESCO)は3月14日、海洋植物プランクトンと気候変動に関する新たな研究成果を発表した。人間活動や気候変動の影響を受け、海洋植物プランクトンの生態系は悪化しており、海洋の生態系を破壊する可能性あると警鐘を鳴らした。
UNESCOの政府間海洋学委員会(IOC)は2016年、気候変動と海洋植物プランクトンの世界的動向を調査するワーキンググループ(TrendsPO)を設立。14カ国から50名の専門家が集まり、海洋植物プランクトンの包括的な分析を実施し、気候変動を含む幅広い生態系の変化に関する研究を進めている。国連は、2021年から2030年を「持続可能な開発のための海洋科学の10年」と位置づけており、海洋植物プランクトンも重要研究分野となっている。
今回の成果発表は、5つの論文で構成。グローバル時系列研究の重要性を強調する論文で始まり、その後に、植物プランクトンの群集構造、気候変動、異常気象、富栄養化に対する生態学的反応、適応の可能性を理解するための長期時系列の価値を示す4つの論文が続く。科学誌Journal of Plankton Researchに掲載された。
植物プランクトンは、海洋食物連鎖の基盤となっており、存在量や組成が変化すると生態系全体に多大な影響を与える。炭素固定プロセスを通じて、大気中の炭素を吸収し、地球の気候を調節する重要な役割も担っている。植物プランクトン個体群の動態を理解することは、気候変動の影響を予測し緩和することにつながる。
【参照ページ】UNESCO-led initiative releases new research on ocean phytoplankton and climate change
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