世界経済フォーラム(WEF)と持続可能な発展を目指すグローバル企業団体WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が運営する自然を軸としたソリューション(NbS)促進イニシアチブ「自然気候ソリューション(NCS)アライアンス」は3月15日、気候変動に加え、生物多様性までを視野に入れた自然気候ソリューション(NCS)クレジットを購入する企業のための実践ガイダンスを発表した。
WBCSDは2022年11月、自然気候ソリューション(NCS)の定義として、NbSを通じ、気候変動と生物多様性の双方を解決しながら、気候変動緩和を実現するソリューションと定義。2022年9月には、経営陣向けに概説ガイドを公表していた。
【参考】【国際】WBCSD、気候変動対策でNbSを重視すべき。気候変動、自然、公平性の同時解決必要(2022年11月14日)
今回の発表は、WEFとWBCSDの支援を受け、NCSアライアンスとボストンコンサルティンググループが共同で作成したもの。NCSクレジットの購入プロセス全体を8つのステップに分けて概説した。
具体的な8つのステップとそれらへのガイダンスとして、
- 気候戦略・予算にNCSを組み込む:先に削減そのものを勧めた上で、それでも残る残余排出量のみにNCSクレジットでオフセットすることを前提に、戦略と予算への組み込み方を概説した。
- 役割と責任の明確化:一定レベル以上の専門知識が必要となるためNCSクレジット調達の専門チームを立ち上げ、必要に応じて社内のスキルアップや外部サポートを受ける必要があるとした。
- NCSの気候変動、生物多様性、人権に関する調達基準の設定:明確なNCSクレジットの調達基準の設定のため、気候変動、生物多様性、人権に関するガイダンスを提供した。
- NCSクレジットの供給源の特定:評価済みのステークホルダーから調達する方法や、提案依頼書(RFP)を公開し調達する方法等を紹介した。
- デューデリジェンスの実施:ウォッシュを含むレピュテーションリスク、ファイナンスリスク、NCSクレジットの運用リスク、政治・規制リスクの4つの観点に対して必要なアクションを提示した。
- 契約の完了・購入:契約期間に応じた検討すべき観点を提示した。
- 透明性のある報告:第三者件諸王による検証を含むあらゆる観点での情報開示が必要だとし、含めるべき情報項目提示した。
- 根拠ある主張:NCSクレジットの購入による気候変動、生物多様性、人権に関して根拠ある主張を行うために、重要なガイダンスに留意した上で発信する必要性があるとし、必要な観点を報告した。
【参照ページ】A Buyer's Guide to Natural Climate Solutions Carbon Credits
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