国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は2月16日、地熱エネルギー市場に関する分析と市場関係者に向けた提言をまとめた報告書を発表した。現在の市場環境を分析し、今後の市場の拡大に向けた6つの提言をまとめた。
今回の発表は、地熱エネルギー市場のこれまでの分析と今後の展望、市場関係者に向けた提言をまとめたもの。地熱エネルギーは電力分野だけではなく、暖房や冷房等の幅広いエネルギー分野に応用されている。その結果、年率3.5%程度の成長率となり、2021年には設備総容量が約16GWになる見込み。地域別に見ると、アジア・オセアニアが5.9GW、北米が3.7GW、ヨーロッパが3.5GW、ラテンアメリカが1.8GW、アフリカが0.9GW。
(出所)IRENA
再生可能エネルギー全体の設備総容量のシェアは0.5%、暖房と冷房の設備総容量のシェアは3%と、他の再生可能エネルギーよりもシェアは少ない。しかし、他の再生可能エネルギーとは異なり、電気と熱どちらも供給可能であり、少ないカーボンフットプリントでの発電、付加価値の高い鉱物の採取も可能であり、適切な管理が行われれば持続可能なエネルギー源になるとした。
同報告書では、地熱産業は開発期間が長く、多額の先行投資が必要であり、調査の初期段階でのリスクの高さもあることから国の政策と規制が重要とした。地理、地質、電力市場、政策等の様々な条件から世界各地で様々な形で発展してきたことに留意した上で、「あらゆる種類の地熱エネルギーの開発、利用の促進」「国際、地域、国内の協力関係の強化」「エネルギー転換に向けた重要なソリューションとして位置づけること」「投資枠組みの改善」「業界を超えた協業の促進」「イノベーションと研究開発の推進」の6つを提言した。
(出所)IRENA
【参照ページ】Global geothermal market and technology assessment
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく ログインする※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら