米貨物鉄道大手ユニオン・パシフィック鉄道は3月7日、同社2回目のダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)報告書「We Are One Report」を発行。取締役会の過半数が非白人男性となるとともに、女性及び有色人種に対する給与の公平性を証明する第三者保証を取得したことも明らかにした。
同社は、長年、DE&Iに関する係争を抱えてきた。人種を巡る不当待遇の訴訟は数十年前から度々発生しており、2010年代からは米当局の米雇用機会均等委員会(EEOC)が原告となる訴訟も相次いできた。同社はEEOCの調査に不服とし応じない姿勢を示していたが、2015年には連邦地方裁判所がEEOSの召喚の強制受入を命じる判決を下す等していた。2019年には障害者差別でEEOSが再度同社を告訴し、2020年には26万米ドル(約3,500万円)の支払で和解している。
同社は2020年、全従業員に占める女性の割合を当時の約5.5%から2030年までに11%に倍増させることと、非白人比率を40%にまで引き上げることを目標として発表。その後、毎年進捗状況を公表するとともに、今回は性別と人種の双方で賃金格差に関する第三者検証を行い、格差がないことを示す検証結果も取得した。2022年には、女性取締役が一人増え、10人の取締役のうち女性3人、非白人4人となり、白人男性が初めて40%にまで下がった。
同社は、米人権NGOヒューマン・ライツ・キャンペーン財団(HRC)が発表している企業のLGBTQに対する差別撤廃を評価する「企業平等指数(Corporate Equality Index、CEI)」でも、鉄道会社として唯一100%を獲得している。
同社は、米国の国勢調査のデータでは、フルタイムで働く女性の収入は、男性の収入1米ドルに対して83セントと格差がある中、第三者検証を通じて、格差がないと示されたことを強調。今後も、労働力の多様化を優先事項としていくとした。
【参照ページ】Union Pacific Showcases DE&I Leadership: Pay Equity, Majority-diverse Board
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