飲料世界大手デンマークのカールスバーグは3月7日、英国、フィンランド、フランスで進めている原材料生産のリジェネラティブ農業への転換の状況を報告した。同社は2022年8月、ESG戦略「Together Towards ZERO and Beyond(TTZAB)」を発表。2040年までにスコープ3を含むバリューチェーン全体でのカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)や、2030年までに原料の30%、2040年までに100%でリジェネラティブ農業を導入し、生物多様性保全、土壌の健康、農地での炭素固定量の増加を進める目標を設定している。
【参考】【国際】カールスバーグ、スコープ3含む2040年カーボンニュートラルやリジェネラティブ農業100%等発表(2022年8月19日)
英国では、同社英子会社カールスバーグ・マーストンズ・ブリューイング・カンパニー(CMBC)が、2027年までにブールブランド「デニッシュ・ピルスナー」で、2031年までに英国で展開する全ブランドで、100%リジェネラティブ大麦を使用することにコミット。
CMBCは、リジェネラティブ農業への移行に向け、ADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)とともに、農家23世帯と契約。2023年中にリジェネラティブ大麦7,000tを栽培する。また農業コンサルティング英セレス・ルーラルと協働し、英国農家特有の要件や状況を考慮しつつ、同社方針に即したリジェネラティブ農業プロトコルを開発した。
フィンランドでは、同社傘下のシネブリチョフが毎年発売しているクリスマスビール「KOFF」でリジェネラティブ大麦を採用。また、パートナー農家を通じ、同国の大麦農家の間でリジェネラティブ農業を積極的に推進している。
またカールスバーグは、バルト海アクショングループ(BSAG)提供のカーボン・アクション・プラットフォームを通じ、リジェネラティブ農業を実践する農家、科学者等と協働。2022年には、フィンランドでの老舗主力ブランド「クリスマスビール」をリジェネラティブ農業での麦芽で醸造した。
フランスでは、同社傘下のクローネンブルグが、パートナー農家45世帯から追跡可能な責任ある大麦を調達。同社のビールブランド「1664」では、2026年までにパートナー農家250世帯が、ブロックチェーン技術を活用し、農場50km2で追跡可能な大麦を生産を行い、100%責任ある大麦に転換する。同目標に向けては、InVivoグループのMalteries Soufflet及びSoufflet Agricultureと協働し、フランス初の追跡可能な責任ある大麦サプライチェーンの構築を進めている。
またカールスバーグは、リジェネラティブ農業の促進に向け、持続可能な農業促進の国際イニシアチブ「SAIプラットフォーム」にも新たに参画。ベストプラクティスの共有や、プログラムの共同開発を行っていく。
【参照ページ】Carlsberg Group plans expanded regenerative barley usage across brands in the UK, Finland and France
【画像】Carlsberg
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