KDDI、三菱重工業、NECネッツエスアイは2月28日、データセンターでの二酸化炭素排出量削減で、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置の大実証実験で、最も品質が高い「ティア4」レベルの安定稼働に成功したと発表した。従来比で消費電力を94%削減できた。2023年度中に提供を開始する。
KDDIは、2020年7月から液浸技術を使ったデータセンターの基礎実証を台湾で着手。最終的にPUE値1.09を達成した。2021年6月からのフェーズ2では、KDDI、三菱重工、NECネッツエスアイの3社で、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置を活用し、データセンターを小型コンテナに収容して稼働させる実証実験に成功した。2022年にはコンテナ型データセンターで消費電力43%減に成功。今回の実証はフェーズ3となる。
今回の実証では、2022年4月1日からKDDI小山ネットワークセンターで、100kVA相当のサーバー等のIT機器と液浸冷却装置をデータセンター内に収容。最適化された外気空冷を行うフリークーリング装置を開発し、データセンターでの実装を想定した排熱処理能力の向上と省電力化を実現した。また、液浸冷却装置とフリークーリング装置に、高い可用性を持たせ、ティア4レベルの液浸データセンターでの実装設計を具現化し、安定稼働の成立性を確認した。
同実証では、KDDIが、全体のプロジェクト管理、システム設計、保守・運用の実務を担当。三菱重工業がフリークーリング (外気空冷) 装置の開発・試作、液浸システムの設計・構築・制御・運用試験、フリークーリング (外気空冷) 装置の保守・運用設計を担当。NECネッツエスアイが、液浸データセンター向けの設備導入設計と課題抽出・改善、液浸装置、電源設備等の調達、設計、施工、統合監視システムのSI設計構築等を担当した。
開発・実証導入したフリークーリング装置を含む液浸システムでは、サーバー冷却のために消費される電力の94%削減とPUE値1.05を実現した。
【参照ページ】~脱炭素に貢献するサステナブルな液浸データセンターを実現、2023年度中に提供開始~
【画像】三菱重工業
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