G7は2月24日、ウクライナ戦争から1年が経過したことを受け、「G7首脳宣言」を発表。数日から数週間の間に、新たな経済制裁を発動をすると表明した。
今回の経済制裁は、ロシアの軍事および製造分野を支援する資材へのアクセスの遮断。具体的には、産業機械、工具、建機、その他の軍事技術を対象とする。また、ロシア産ダイヤモンドも対象とする。制裁対象の金融機関も拡大する。
これを受け、欧州委員会は2月25日、ロシア経済制裁第10弾を発表した。まず、ロシアへの輸出禁止・制限措置として、軍用のドローン、ミサイル、ヘリコプター、車両に使用される電子部品、特定のレアアース、軍事用途のサーマルカメラが対象となった。また、ロシアの軍産複合体に関連する96の事業体を追加で制裁対象とし、合計で506にまで増えた。加えて、軍用に転用できる車両、建機、航空部品、工業用プラント資材についても輸出禁止となった。EUへの輸出インパクトは2021年データで114億ユーロとなり、累計で439億ユーロが整体対象となった。EU全体の輸出の49%が制裁対象となった形。
他にも、ロシアからの輸入禁止措置として、ビチューメンおよびアスファルト等の関連材料、合成ゴム、カーボンブラックを対象に追加。輸入インパクトは、13億ユーロで、累計で913億ユーロとなった。EUの2021年の輸入の58%に相当する。
また、ロシアの銀行3行が、資産凍結及び資金や経済的資源の提供禁止の対象に追加。ロシア国籍者がEU加盟国の重要インフラ企業のガバナンス機関に就任することや、ロシア国籍者およびロシア企業によるEU域内のガス貯蔵能力の予約の禁止(但しLNGは除く)、EU事業者によるロシアからの事業撤退を促進するための措置、ロシアによる石油輸出の制裁回避を幇助した疑いのある第三国の海運会社のリスト化措置等も発動した。
同じく英外務・英連邦・開発省と英ビジネス・産業戦略省も同日、ロシア経済制裁の新パッケージを発表。ロシアの軍産複合体が使用できる航空機部品、無線機器、電子部品等を制裁対象に追加した。
米商務省も同日、ロシアへの新経済制裁を発表。ロシアの軍事関係者が使用できる物品の制裁対象への追加したことに加え、ロシアがウクライナとの戦争でイラン製ドローンを使用していることに対処するため、イラン、ロシア、ベラルーシに新たな輸出管理措置も課した。ロシア軍やウクライナ占領地で使用される濾過装置の提供企業も制裁対象に追加。この中には中国企業も含まれるという。
【参照ページ】G7 Leaders’ Statement
【参照ページ】EU agrees 10th package of sanctions against Russia
【参照ページ】New sanctions ban every item Russia is using on the battlefield
【参照ページ】The United States Imposes Additional Sweeping Costs on Russia
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