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【EU】欧州委、「再生可能水素」定義を委託法令で規定。追加性、時間的相関、LCA排出量等

 欧州委員会は2月13日、再生可能エネルギー指令に基づき、「再生可能水素」を定義した2つの委託法令を採択した。欧州議会とEU理事会から異議申立てがなければ、同委託法令は自動的に施行される。

 1つ目の委任法令は、「再生可能エネルギー」と認められる「再生可能水素」の定義として、追加性要件を明確化。グリーン水素生産のための水電解槽(PEM)に接続する再生可能エネルギーは、新規の再生可能エネルギー発電でなければならないと規定。既存の再生可能エネルギー発電から調達して生成されたグリーン水素は「再生可能水素」とは認められないことが決まった。これにより、再生可能エネルギー発電所を新設するインセンティブを付与する。

 欧州委員会は、2030年に向けて大規模な電解槽が大量に導入されれば、電力需要は増加し、REPowerEUで2030年目標としている「非バイオ起源の再生可能燃料(RFNBO)」生産1,000万tを達成するには、およそ500TWhの再生可能電力が必要であると見積もっている。これはEUの総電力消費量の14%に相当する。

 同委託法令では、追加性規則の適合性確認方法も策定。さらに、再生可能エネルギーが十分に利用できる時間と場所でのみ、再生可能水素が製造されることを保証することを目的とした基準「時間的・地理的相関」も導入する。

 ルールは段階的に導入。2028年1月1日以前に操業開始する水素プロジェクトでは、追加性規則の移行期間が設定される予定である。2030年1月1日までは、月単位で再生可能電力調達状況と一致させればよいが、2030年1月1日以降は「時間的・地理的相関」規則を導入。ることを義務化。但し、加盟国は2027年7月1日以降、時間的相関性に関する規則を導入してもよい。

 尚、同ルールは、EU域内で生産された水素だけでなく、EU域外から輸入した第三国からの生産者にも適用される。第三国の生産者向けにも申請に応じて、同ルール適合を認定する制度も設ける。

 2つ目の委託法令は、RFNBOのライフサイクル温室効果ガス排出量を計算するための方法論を規定。上流での排出、系統からの電力供給・加工、最終消費者への輸送に関連する排出を含む。また、再生可能水素またはその誘導体が、化石燃料を生産する施設で共同生産される場合の温室効果ガス排出量の計算方法も明確にした。

 欧州議会とEU理事会から異議申立ては、2ヶ月が期限。但し、2ヶ月間の延長を求めることが可能。

【参照ページ】Commission sets out rules for renewable hydrogen

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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