欧州委員会は2月14日、トラック・バス等の大型自動車に関する2030年以降の二酸化炭素排出量削減目標案を発表した。今後、EU理事会や欧州議会との調整に入る。
大型車の排出規制では、欧州委員会は2019年2月、初の目標として、2019年比で、2025年までに平均15%減、30年までに同30%減する案を発表。欧州議会とEU理事会での可決を経て、同規則は6月に成立した。
今回発表した目標案は、2030年以降の大型車(HDV)の新車販売で、二酸化炭素排出量を1990年比で、2030年に45%減、2035年に65%減、2040年に90%減と設定。さらに、公共交通バスの新車販売では2030年までに全てゼロエミッション化する。
欧州委員会は今回、トラック、市バス、長距離バスは、EU全体の温室効果ガス(GHG)排出量の6%以上、道路輸送によるGHG排出量の25%以上を占めていると説明。また、貨物部門の排出量は2014年以降で2020年を除き増加しており、2019年時点で貨物部門の排出量は航空部門の排出量より44%、海運部門の排出量より37%多いとした。そのため、乗用車・バンだけでなく、大型自動車にも燃費規制を厳格化する意義を伝えた。
乗用車とバンの新型車種に関しては、EU理事会と欧州議会は2022年10月、2030年までに走行距離当たりの排出量基準を乗用車で55%、バンで50%引下げる基準を設定し、新車販売は2035年までにゼロエミッション車両に限定することで政治的合意に達した。さらに欧州議会は2月14日、同法案を、賛成340、反対279、棄権21で可決。EU理事会で可決されれば、同法は成立する。
【参考】【EU】EU理事会と欧州議会、新車販売2035年ゼロエミッション化で政治的合意。今後法制化(2022年10月29日)
欧州委員会は今回、大型車のゼロエミッション化では、充電や水素補給のステーションを大規模に増やす必要があることも強調。すでに、電気自動車の充電は60km毎、水素補給は150km毎に設置する政策も打ち出しており、今回の規制強化と足並みを揃えて議論していくとした。
【参照ページ】European Green Deal: Commission proposes 2030 zero-emissions target for new city buses and 90% emissions reductions for new trucks by 2040
【参照ページ】Fit for 55: zero CO2 emissions for new cars and vans in 2035
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